Θたけのこ たびの話とか

たびの話、科学の話、読んだ本の話 とか

動物たちのすごいワザを物理で解くFURRY LOGIC the physics of animal life マティン・ドラーニ リズ・カローガー

動物たちのさまざまなワザを、物理的に解説。

 


 

 <熱>

レッドサイドガーターヘビ 寒いとシーメイル(メスのふりをするオス)になりオスを引き付け熱を伝導により奪う

イヌの毛 乾いているときは伝導と対流による熱の損失を最小限にとどめるが、濡れていると体力を消耗

→体をゆすぶることで水を振り払う 4.5往復/秒 ネコ9 ネズミ31 クマ4

 背骨を動かすのに加えてタプタプした皮膚は両側に60度動く

 約500gのうち約70%の水分が飛び散る

 揺さぶるには約100ジュール 蒸発する場合480kジュール 100kカロリー消費(ラブラドールレトリバー 一日摂取エネルギー800kcalの1/7 ドッグフード缶の1/3

蚊 小さなハエ スペイン語 オスの触覚は繊毛に覆われている

 血を吸うと体重の3倍になるが、5秒後には血を尿と混ぜて玉にし25秒後離れ落ち熱を逃がす

 吸う時34℃ 最初の玉 31℃ 落ちる際は26℃ 体温は23℃

ミツバチ 集団抱擁 日本ミツバチの耐熱は48℃ ミツバチボール47℃ スズメバチの耐熱46℃

カリフォルニアジリス しっぽを振って威嚇するが、ガラガラヘビが相手のときは更に加熱する

 ヘビは赤外線を目と鼻の中間で感知

ファイヤービートル 体長1cm 幼虫が樹液に溺れたり押しつぶされたりするので火を見つけて焼けた木に産卵

 通常の昆虫は赤外線感知センサーを触覚付け根に持つが、羽のすぐ下にもある 130㎞先でも感知

<力>

コモドドラゴン 149Nでかむ ネコは58N(体重は1/20) 頭と体を回し337N

 ショック症を惹き起こす神経毒と傷跡の血の抗凝血剤を含む毒により4倍の大きさのスイギュウを倒す

 骨と筋肉を節約し、エネルギー消費を抑える蚊 秒速10m(時速35km)の雨粒は100kgの人間に5tトラックが激突するイメージ

 雨粒にしがみついて衝撃を弱める

 蚊が受ける運動量の変化は0.003N(=2mg×2.1m/秒÷1.5m秒)なので大したことは無い

 空気より濃度が高いと位置を感じる平均棍を乱すので大豆油スプレーが有効

モンハナシャコ カニの殻を破る 700Nの打撃(体重の千倍以上)捕脚を10万m/秒秒で加速(重力加速度の1万倍)打撃時点で80㎞/時 攻撃に3ミリ秒(瞬きは0.3秒)

 チーター9m/秒秒で3秒で100㎞/時 ハヤブサ300㎞/時で降下

 筋肉は速く収縮して小さな力を出すかゆっくり収縮して大きな力を出すかのトレードオフだが、閉筋がゆっくりエネルギーを蓄え、掛け金となる腱がはずれるとエネルギーが瞬時に放出される

 +水蒸気として泡の発生消滅が短時間に起きるキャビテーション

 水の分子を離れ離れにするエネルギーが再び近づくのにかかる時間を短くするとエネルギーを解放できる

 短時間で両捕脚で打撃0.8ミリ秒 6000℃ 1500N 体重の2500倍 ボクサーは5000N

 テッポウエビもキャビテーションを活用 高速船が困難な理由+反作用としてうける打撃のため数か月で脱皮

 ひびが入りやすいしなやかな構造で完全にばらばらになるのを遅らせる

 表面はヒドロキシアパタイト(リン酸カリシウム)硬い

 ひびを止めるαキチン(糖) 10万m/秒秒の加速度 クラゲの刺胞は100万m/秒秒

アギトアリ 高加速顎閉じ動作で体重の数百倍の力 0.13ミリ秒秒で230㎞/時

 大顎閉筋に対抗して顎を開き弾性エネルギーを蓄え、感覚毛によりトリガー筋肉が反応し閉じる

トッケイヤモリ 分子間力ファンデルワールス力 10nm以下で働く力

 ラメラという皺で表面は太さ5ミクロン長さ100ミクロンの毛650万本でおおわれる

 幅0.2ミクロン高さ0.2ミクロンの三角形のスパチュラ状の先端が毛ごとに100~1000個 2~20ミクロン2/毛

 接着力は垂直に40μN 平行に200μN→20~40Nの横方向の力を支えられる(理論上は×650万本で1300Nの3%しか使わないが体重100gには0.04%の力もいらない)

 毛は30度でその方向だけくっつく 少し指先を広げるだけではがせる

 足指は超撥水性 親水性ガラスではくっつかない

 ゲックスキンDARPAで開発 脂質が含まれているが役割は未解明

<流体>

 圧縮できない 表面がある 水の表面張力73mN(20℃)超える液体は水銀だけ

アメンボ 脚の先端は水平に1cm 渦を直径8mmの半球状につくり、渦が後ろに動くときの運動量で前に進む 1漕ぎ体長の10~15倍 飲む

ハチドリ 舌の無数の溝に沿って花蜜が上がってくるフォッグスタンドビートル

 体を45度傾け背中に水滴が結露するのを待つ

ネコ カールさせた下の先端を水面上で静止させ、水分子と舌表面の引力で水が舌にくっつき、舌を上げると水の柱が立ち舌を口に戻すとき水の柱が口に入る

 0.14ml/回 3.5回/秒

イヌ 直接水を舌ですくう

排尿 尿道ゾウ1mネコ5~10cm

 水圧は尿道の長さに比例するので膀胱が3600倍違っても同じ時間 直径は水滴で排尿する場合に問題になってくる

タツノオトシゴ カイアシの触覚に感知されないように長く尖った頭の形で乱流を抑える飛ぶ

 推進力+揚力

ハチ 1c㎡の羽で0.7gの体重を持ち上げる150回/秒 胸部の筋肉を収縮させるたびに羽が数回振動 3~4m/秒

 空気が羽の上で渦になり円形に巻き上がるが、1振で羽幅の8倍動くので、この揚力は使えない

 先端部に90度方向転換させたらせん状の前縁渦が羽の後端までの3/4のところまで進むと羽の先端が作った渦と合体して円形の渦を形成サギ

 1mの翼を2回/秒はばたき、12m/秒(40㎞/時)で急上昇 固定翼:スピードの2乗、翼表面積、大気圧、揚力係数(迎角と形に依存)

 15~20度を超えると上の気流が離れ失速

プテロサウルス(翼竜) 揚力は翼支骨が前方を指す方が横1.5よりも大きい2.3が、手首の骨とつながっている化石がみつかっていない

<音>

高圧部と低圧部が交互に連なった波として伝わる

水中は数千m遠くまで空中の5倍の速さで伝わる

クジャク 羽を素早く震わせ低音3~4Hzのインフラサウンド+羽を外に向かって動かし少し高いパルス列(5m以内)

 パルス列は5mで減衰するが、周波数が少し低い震わせる音は遠くまで伝わる 感知方法は不明

 人間は20Hz~2万Hz 2000~5000Hzが聞き取りやすい

コウモリ 声帯を震わせて超音波を出すが、自分の音で耳が聞こえなくなるのを避けるため耳の筋肉を収縮させ耳をふさぎドップラー効果で高くなった減衰された小さな音で聞く

 ガが3.5mまで近づかないと聞こえない音量で探索し、8m/秒で飛びガが音を聞いて0.5秒以内に捕獲

ヘビ 蝸牛の内耳が顎からの地面を伝わるレイリー波(50~300m/秒)を立体感知

 ネズミが走るレイリー波は45m/秒 200~1000Hz 振幅は1mmの1//1000

ソウ 120dBの20Hzを足から感知して仲間と交信

 空中では距離が倍につれて6dB減衰し500mまで地中では3dB減衰なので数kmまで聞ける

 20Hzの波長は空中17m地中12m コウモリ130dB

イセエビ 左右の触覚の付け根の撥バチで目の下の板をこすり音を立てて捕食者を遠ざける

<電気・磁気>

electricity琥珀ギリシア語elektron 大きな獲物には巻きついて電場の強度を上げる

デンキウナギ オスが唾液で作った巣に産卵 数千枚の薄い円盤状の細胞でボルタ電池の構造

 電子ではなくNa,Ca,Kのイオン0.085ボルト、電気細胞の形で0.065ボルト計0.15ボルト 6000個で900ボルト

 400回/秒連発 顔に電場を監視するセンサーで感知

 常に低電圧パルスを送り出し生き物は筋肉が痙攣し波を立ててしまうので食べ物かどうかを判断できる

ハチ 花の電場をとらえる 正に帯電 花粉を静電気で移動させる 電場の感知方法は不明

花 地表は電位ゼロ 地上30~50㎞で30万ボルト 100ボルト/mなので30cmの高さの花は30ボルトの大気電位に囲まれていて負に帯電

 花粉がなくなると25mボルト上がるのでハチはこない

カメ 体長60cmなるまで15000㎞大西洋周遊 海岸から50㎞離れれば捕食者が少ない

 磁場を感知 方位+緯度を提供する傾斜角(伏角)と地球磁場の強度を磁場マップとして使う

 子ガメを生まれさせるのに自分が生まれた場所が安全

 地磁気の変化と戻る地点が一致し磁場のサインを使う証拠 磁場感知の仕組は不明

 28℃だとオス、30℃だと半々 32℃だとメスだけ

カリバチ(スズメバチ) 外皮クチクラに茶色と黄色の部分

 茶色の部分はメラニン色素で表面の起伏で反射する太陽光を内部に取り込みやすくする

 黄色の部分は丸い窪みにキサントプテリンという色素の微小体で太陽光を電気に変換 用途は不明

<光>

人間400nm~700nm 3種類の錐体細胞 赤緑青  鳥は+紫 紫外線も見る

ハチ 食べ物と巣を結ぶ直線が巣と太陽を結ぶ直線に対し反時計回りに60度のダンス

 近いと多く(100mで15秒で10周)遠いと少なく回る(3㎞で3周)

 空の偏光パターンで方向を感知

アリも偏光で方向を感知 距離は体内歩数計(ゲタをはかせると距離が伸びた)

カッコウ ジュウイチのヒナの口と翼の斑点はルリビタキより暗い巣で多く紫外線を反射し仮親を出し抜く

テッポウウオ 水中から屈折する地上を正確に狙うが不明

魚 浅いところ:透明にし光を透過させる 体の下に発光器で下に影を作らない 横を銀色にし光を反射

  深海:光を吸収させる 赤か黒が最善

タコ 青い光に赤くなる水は空気より光を吸収し長波側で強いので近くでもぼやける

 透明でも20~40m プランクトンは白く見える

マッコウクジラ 230dBの音波で獲物を追跡 1㎞離れた1.5mのイカを発見 25cmのイカなら325m

ダイオウイカ 直径10cmの大きな目で120m離れたプランクトンの出す光を感知

 2億年以上前の魚竜は直径35cmの目

※ブログ記事等でコードを引用される場合は、はてなブログのブログカード機能利用等により引用元を明示いただきますようお願いします。