Θたけのこ たびの話とか

たびの話、科学の話、読んだ本の話 とか

人間はどこまで動物か 新しい人間像のために


 

Lehre vom menschen  biologische fragmente zu einer (’51)岩波新書

 アドルフ・ポルトマン

発生概念 生物学(因果不明)と歴史学(因果関係)

 就巣性 巣に坐ってるもの 鳥 上等 哺乳類 下等

 離巣性 巣立つもの      下等     上等

 感覚器   1年目 直立歩行・ことば習得・技術的思考

人間の赤ん坊はサルより大きく産まるが、早産

動物が生まれたときに実現している発育状態に1年でたどりつく

 歴史的 =決断の自由を持つ⇔動物は、環境によって拘束、本能によって保証される

立つことが人間特有 立ったうえで歩くのは四つ脚動物に特有な単純な機能

人間は永久歯が生えるときまで脳が発育する 人間は類人猿の2倍の寿命

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類文化史

HOW WE GOT TO NOW Six Innovations That Made The Modern World

 

ロングズームの歴史 異なるレベルすべてを公平に評価できる解釈のアプローチ

隣接可能領域の新しい扉 隠れているものに対する直観的知覚

専門知識の異形交配=愛好家の強み

 

 

ガラス 宝飾 540℃以上で溶かさないと使えない→先端技術 ヴェネチア

 印刷→眼鏡、顕微鏡 マウナケア→タイムマシン

テレビ、断熱材、コンピュータ、航空機、インターネット、グラスファイバー

 

冷たさ ボストンの氷をカリブ海へ 氷+おがくず+空の船(南からサトウキビ、綿)

アンモニアで人工冷却 南北戦争→瞬間冷凍         フレデリック・チューダー 1834~

 エアコン→人口移動 受精卵・精子

 

音 古代洞窟の歌 反響音の最も強い場所に絵

 再生 真空管 ラジオ→ヒットラー、アンプ→ジミヘン

 命を救う ソナー(タイタニック)エコー(妊婦)

 

清潔 シカゴを持ち上げる エリス・チェスブロウ1856 塩素革命 クリーンルーム、下水道

入浴が不健康とされていた

疫学 顕微鏡+測定法

 

時間 ふり子 ガリレオ

工業都市 出来高払い→時間給 電信・電話・鉄道

 原子時計 太陽は不正確

 1万年刻む時計 ヒッコリーマクの森 ネバダノーフォーク山地

 

光 ミツロウのロウソク 獣脂 鯨油(脳油)1712 電球 エジソン

 フラッシュ撮影→ピラミッドの写真 スラムの写真

 ネオン看板

 レーザー光→殺人

バーコード NIF 核融合、人工太陽

理化学研究所 和光地区 一般公開

理化学研究所 和光地区 一般公開 2017/4/22

 

ブラックホール重力波

ブラックホールの大きさは所属する銀河の大きさに比例する。ブラックホールが吸い込み切れなかったものが噴出されていて、それが銀河形成の源となっているかも。

薄い膜に鉄球を置くと沈む。他に鉄球をその周りを回すと、つられて動き出すことで、惑星などの動きを再現できる。

天書の証明 という本が面白い。

 

・冷却原子でみるボース・アインシュタイン凝縮の世界

磁石を水に浮かべると、規則的に並ぶ。

 

・植物からプラスチックをつくろう!

植物からとれる油や糖を美生物に食べさせると、プラスチックができる。土に触れると微生物が食べてくれて、分解されてしまうらしい。もらったクリアファイルで実験!?

 

・ふしぎなふしぎな宇宙の世界

宇宙ステーションの説明。宇宙ステー所はサッカーコート一面分の広さだけど、太陽光パネルが大半で、人のいる範囲は飛行機2機分。90分で地球を一周する。地表300kmの場所にあるが、地球の引力で落下し続けていて、ある程度の高さにまで落ちてくると噴射して高度を上げる。燃料が途絶えたら落下してしまう。3D映像でスペースシャトルを見る。

 

・スーパーコンピュータと計算科学を知ろう!

整理券。

スマートフォンは82年のコンピュータと同じ性能。当時2t、10畳くらいの大きさ。

スーパーコンピュータはだいたい10MWで淡路島と同じくらいの電力消費。グーグルが100MWといわれている。新幹線が定格で17MW、平均で8MW。人間の脳は20W、400kcal。アルファ碁が25MWなので、人間はとても省エネ。

スーパーコンピュータの使用例として風洞シミュレーションを3D映像で見る。

稼働中のHOKUSAI、Shoubu。

 

・子どもの言語発達ってどうやって調べるの?

赤外線センサーで黒目の場所を検知して目が見ている場所を特定する。風船などを映写し、それを見つめると割れる仕組みで、デモンストレーション。会話が困難な者に、文字盤から入力させることに使われたりしている。まばたきくらいでは、視線は外れない。近赤外線なので、目への影響がない。ちなみに眼圧センサーとは違う。

 

・独楽を回して自分の色をみつけよう!

白黒の模様の独楽を回すと、色が現れる。その色の見え方は、人によって違うし、中心からの場所によっても違う色に見える。

次々と錯視の例が見つけ荒れている。錯視の状況を踏まえたシステムなど。

 

・匂いを感じる脳のしくみ

匂いの成分ごとに感覚器があり、匂いの成分ごとに脳への伝達経路が異なる。匂いの成分は、食べ物だったり、生殖だったり、など。ゼブラフィッシュで実験。体が透明なので、色を付けると外から観察できるようになる。

 

たんぱく質の凝集化と神経変性疾患

動物細胞は酵母細胞と構造が似ているので、酵母細胞で実験している。

 

・手作り分光器

 

ニホニウムの発見

ニホニウムの説明。元素番号113.現在119番以降の元素を探っている。新たなグループになり、安定した元素だと考えられていているが、どんな性質なのかわからない。

とても人気で、低学年の子もこどもの科学などで得た知識を披露していた。

 

・チャレンジ!だるまおとし!

ふだんできる機会はないので、面白い。力が弱くてもうまく落とせているので、どうやら素早くするだけではないみたい。2回チャレンジして、やりたければまた並ぶ。

 

・モノの中身をのぞいてみよう

モノをスライスして撮影し、内部まで含めた画像処理。マウスも実際にスライスして撮影されたそうでしまうす。

未来のデジタル図鑑として、カブトムシの中をのぞける図鑑。

グーグルストリートビューみたいな映像を撮影する機械。毎秒何十万か所も距離を測り、立体画像を取得する。cm単位で測れるので、道路やトンネル壁面の凸凹も図ることができ、劣化状態が検知できるようにしていく。ちなみに赤外線なので、水を通り越してしまうので池などの情報は取得できないが、水でできている人間には無害。

 

・電気でお絵かきしてみよう!電気分解と未来のエネルギー

ジュースを浸した紙に電極を当てると色が変わるので、それで絵が描ける。

深海の熱水噴出孔付近の生物のエネルギー源を探している。熱水噴出孔の中の高温部分と外側の岩石が電池の構造になり、電気を発生させていて、それをエネルギー源として生態系が成り立っているようだ。ちなみにマリンスノーは途中でなくなってしまうので生態系を維持する程度には堆積しない。

 

・ものづくりを変えた超先端加工技術

~LED基盤から宇宙開発まで

とても固く電気を通す人工サファイアスマホの画面にも使われている。ちなみに不純物があると色が着き、宝石としては色があった方が価値がある。

 

・金ミラーを作ろう

金をガラスに蒸着させる。すでに整理券が発見終了。

 

 

 

進化の謎を数学で解くArrival of the fittest:Solving evolution’s greatest puzzle

(14)’15文藝春秋 アンドレアス・ワグナー エール大 チューリッヒ大進化生物学環境研究所教授

生命が最適者を発見するのに奇跡は必要ない

自然淘汰の謎を実験とコンピューターの力で解く

エネルギーと生命の構成要素を生産する化学反応(触媒)を試す 工場と部品→進化

生命の始まりは複製より代謝が先 生命は遺伝子に先だって存在

クエン酸回路は熱水噴出孔200気圧で自然発生的につくりだされた可能性が高い

超好熱メタン菌130℃で繁殖できなくなるが生き延びる

  全ての海水が10万年に1回は熱水噴出孔を通過する→これまでに1万回以上通過していることになる

 クエン酸回路は化学反応の自己触媒ネットワーク 代謝活動の始祖の可能性

 RNA(ヌクレオチド)からタンパク質(アミノ酸)に引き継ぐ

代謝の原理①代謝は同じ燃料分子で生存可能

     ②代謝は互いに異なっており少数の反応しか共有していない

     ③生存可能な代謝は、巨大な遺伝子型ネットワークでつながる

マキーソン隕石1969有機分子を含む 

 ①生命の分子が自然発生的に生じる

 ②適切な環境は宇宙の特殊な場所である必要はない

 ③イノベーション

生命は最初の生物となるより以前でさえイノベーションを必要とした 自己触媒的代謝と自己複製因子 ①化学反応の新しい組み合わせ(代謝) 

②他の分子の反応を助けることができる分子(タンパク質) 代謝経路

③複雑な生物を協調させる新しい調節 をつくりだす 遺伝子作用の調整

DNA1000字 46本の染色体 30億文字

大腸菌DNAでさえ450万文字 1/4が違っていることもある

グルコースクエン酸エタノールなどを代謝で取り込めるか否かの組み合わせは25000

20種類のアミノ酸でできるタンパク質も膨大な組み合わせ 100個のアミノ酸で10130

遺伝回路も膨大な組み合わせ

  数が増えるほど距離が近くなる 最適なものを探索する範囲が少なくて済む

 80種類の科学燃料で20% 60種類で30%

  エネルギー貯蔵の規格 ATP

複雑で膨大な解決策が多少の変化で動じない頑強さにつながり、環境変化に対応する新種の候補を用意できる

 生きていくための方策がつねに複数存在する 電子回路も同様

 遺伝子型に突然変異が生じても表現型は影響を受けない

新種を生む原理は技術革新、銀河の形成にもあてはまる 

人工超知能が人類を超える 台場時生

人工超知能が人類を超える シンギュラリティ その先にある未来

The future beyond the singularity The artificial superintelligence will surpass mankind

‘16日本実業出版社 台場時生

 

シンギュラリティのキーワードで読みました。特異点に到達に備えよう、というような内容は多いのですが、特異点に到達したら、人類は進化のバトンを機械に手渡して、幸せは無くなる、それは不幸なのではなく、無の境地、解脱の境地に入るのかもしれない、という見解はとても興味深い。そういう点では、未婚者が増えたり、子供を産まなくなったり、してきているのは人類としては進化して機械に手渡す準備をしているのかもしれない。

 

人が人生という道に迷った時に進むべき方向を指し示してくれる「導きの星アドラー

=理想とする人類の未来像

 

ロボット カレル・チャペック 戯曲「RURロッサム・ユニバーサル・ロボット会社」1920

 家事手伝い用人型ロボットが自意識をもち、人類を滅ぼしてしまう

 登場時から人間に敵対する構図→ターミネーターマトリックス、HAL

 日本は鉄腕アトムドラえもん 人間の味方

 

特異点は生物進化のゴール コンピュータが人間に頼らずに自らの力で勝手に進化していく

機械に進化のバトンを手渡す

 

人工知能と人間との共存 特異点後の人間の姿

①生身の身体・脳をそのまま維持 遺伝子操作等による身体面の強化等はある

②サイボーグ

③機械化

意識はニューラルネットワークの虜

物質的なニューラルネットワーク

非物質的なクオリアを伴う意識

脳の容量や構造の精密さが増し知能が高度化すると、実現できる感情のレベルも上がるとすれば、人工知能の方が人間よりも深く優れた感情をもつ、と言えるし、人間には備わっていないまったく新しい高度な感情をもつようになるかもしれない

 

科学技術的進化

農業革命 動物からのテイクオフ 物質

産業革命 機械による生産と輸送 エネルギー 肉体労働の外部化

情報革命 電子による通信と知識処理 情報 頭脳労働の外部化

  ↓

ロボット革命 人間すべての外部化 人力フリー社会

生物革命 命の特異点 個の保存

 遺伝子の意図的改変、再生医療・ナノテク医療等による不老不死の実現

  ヘイフレック限界 細胞分裂は50~60回

宇宙進出 種の保存

生物的進化は受動的で限られた適応力しかもたない

科学技術的進化は能動的、万能的で強力な効果を発揮する

→生物の目的である個と種の保存は達成され、生物としてのゴールに到達

無限の知識、無限の知性、無限の美、無限の創造性、無限の愛

 全知全能 神の概念に向かって突き進んでいく

 アメリカ発明家未来学者レイ・カーツワイル「ポスト・ヒューマン誕生」

非生物的進化 全知全能に向かって突き進む

生きるために制約を解除する→制約を解除するために生きる

世界のすべてを知るための科学

世界のすべての制約を解除し、完全なる自由を手に入れるための技術

 

 

幸福は絶対尺度では測れない、相対的な尺度で測られる

幸福度の大きさ=現状-幸福のゼロ点

絶対的な幸せは存在しない 味わっては消える幸福の特性こそが、幸福の尊さ

愛、成長、快楽、幸福は生きるための手段

手段が目的に転化するのが人間が持つ特別な性質 途中段階の価値がつり上げられる

自分の生きる目的として何を選ぶかは各人の自由、生き方多様性の保護

 

不幸を一つ消す=幸福を一つ消す 不幸の内世界=幸せのない世界

望みがすべてかない状態価値をこれ以上上昇させられなければ幸福度は低下していく

→人類の未来に幸せがない 人類としての無の境地 欲望や感情が消滅した状態

 

宇宙の歴史138億年を一年に例えると、80年は0.18秒

金額だと豪邸14邸に対しアイス1個分

すべては浮世のこと つい最近までこの世はなかったんだから、あまり気にすることはない

プークが丘の妖精パック PUCK OF POOK’S HILL キプリング

べペンシー平野に住むダンとユーナの兄妹がシェークスピア、夏の夜の夢を演じていると妖精パックを呼び出してしまい、イギリスの歴史上のいろいろな人物に会わせてもらう。イギリスの建国の過程、マグナカルタ成立が語られる。イギリス人の精神の底流みたいなものが感じ取れるような気がする。

 

パック オークとトネリコとサンザシの木にかけて

 茶色い毛で覆われた肩幅が広く、耳はとんがり、鼻はしし鼻、青い目はキッとつりあがり、そばかすだらけの顔

 

ウィーランドが剣を与え、その剣が宝をもたらし、宝が法律を生んだ。オークが伸びるように自然なこと。

剣 黄金はささげられる ある目的のために ルーン文字による予言

 

黄色い砂に縛られるくらいなら、今すぐ溺れ死んだ方がましだ

黄金は人をすかり変えてしまう 金がなければ戦争はできない

王が法律を守れば国は平和になる 金を貸せば戦争になる

 

マグナカルタ第40章 何びとに対しても権利と正義を売ったり、拒んだり、否定してはならない 金貨200枚で、すべての自由人に→何びとに に変えさせる

 

運命は最初にできた真の友人によって決まる

若い時に立派な人間になろうと努力すれば、大人になったときに立派な友人ができる


 

科学の発見 to explain the world the discovery of modern science スティーヴン・ワインバーグ


 

 

ギリシア哲学者 まず美しいこと 詩 世界はかくあれかし 実証を求めるという態度が欠けている

天文学幾何学で研究するべき 無理数を封印

 数学が物理に役立つのはなぜか? 観察・実験を必要としない

  数学は科学ではない 世界について何も説明することはできない

  物理学は曖昧 数学的厳密さと摩擦

アリストテレスですら自然偏重 人工的状況による実験を軽視

 知それ自体のための知識 エピステーメーギリシア) スキエンティア(ラテン)

 実用のための知識 テクネ(ギリシア)アルス(ラテン)

 

ヘレニズム(アレクサンドリア ムセイオン)実用的技術 アルキメデス 

 当時のアテネアレクサンドリアは、リヴァプールーニューヨーク汽船と同じ時間

 医学は科学になりにくかった

  旧理論がうまく機能しないことに気づきにくい 患者の状態が常に異なる

  理論よりも回復=どんな理由であれ回復すれば権威

 必要を満たす科学研究は現実に向き合わせる

 

キリスト教 哲学はむなしいだましごと・教会での立身出世の機会

 

アラブ世界がギリシア哲学を承継 

天文学 役に立つ 記述ではなく証明する

 暦を作成する、地球上の距離を測る、礼拝の時刻を知らせる、キブラの方向を決める

医学 理論と観察結果の突き合わせが困難

 

地動説 ギリシアアリスタルコス

 コペルニクス 地動説は観測結果ではなく数学的にシンプルで首尾一貫している理論

ガリレオ 観測 偶然ではなく人工的環境で実験 望遠鏡 傾斜平面

  数学から脱却 幾何学は偏重

 ベーコン 科学には役に立っていない

 デカルト 物理学に数学をもちこむ

 ライプニッツ微分積分法を発表したが、科学に応用したのはニュートン

 ヴォルタ 電気と磁気の実験

 ラヴォアジェ 化学の実験 物質の本質の理解

 

生物学は目的論原理の上に成り立っている

自然淘汰による進化 遺伝情報とDNA 化学・物理学に裏付けられる

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