進化の謎を数学で解くArrival of the fittest:Solving evolution’s greatest puzzle
(14)’15文藝春秋 アンドレアス・ワグナー エール大 チューリッヒ大進化生物学環境研究所教授
生命が最適者を発見するのに奇跡は必要ない
自然淘汰の謎を実験とコンピューターの力で解く
エネルギーと生命の構成要素を生産する化学反応(触媒)を試す 工場と部品→進化
生命の始まりは複製より代謝が先 生命は遺伝子に先だって存在
クエン酸回路は熱水噴出孔200気圧で自然発生的につくりだされた可能性が高い
超好熱メタン菌130℃で繁殖できなくなるが生き延びる
全ての海水が10万年に1回は熱水噴出孔を通過する→これまでに1万回以上通過していることになる
クエン酸回路は化学反応の自己触媒ネットワーク 代謝活動の始祖の可能性
②代謝は互いに異なっており少数の反応しか共有していない
③生存可能な代謝は、巨大な遺伝子型ネットワークでつながる
マキーソン隕石1969有機分子を含む
①生命の分子が自然発生的に生じる
②適切な環境は宇宙の特殊な場所である必要はない
生命は最初の生物となるより以前でさえイノベーションを必要とした 自己触媒的代謝と自己複製因子 ①化学反応の新しい組み合わせ(代謝)
②他の分子の反応を助けることができる分子(タンパク質) 代謝経路
③複雑な生物を協調させる新しい調節 をつくりだす 遺伝子作用の調整
DNA1000字 46本の染色体 30億文字
大腸菌DNAでさえ450万文字 1/4が違っていることもある
グルコース、クエン酸、エタノールなどを代謝で取り込めるか否かの組み合わせは25000
20種類のアミノ酸でできるタンパク質も膨大な組み合わせ 100個のアミノ酸で10130
遺伝回路も膨大な組み合わせ
数が増えるほど距離が近くなる 最適なものを探索する範囲が少なくて済む
80種類の科学燃料で20% 60種類で30%
エネルギー貯蔵の規格 ATP
複雑で膨大な解決策が多少の変化で動じない頑強さにつながり、環境変化に対応する新種の候補を用意できる
生きていくための方策がつねに複数存在する 電子回路も同様
遺伝子型に突然変異が生じても表現型は影響を受けない
新種を生む原理は技術革新、銀河の形成にもあてはまる