Θたけのこ たびの話とか

たびの話、科学の話、読んだ本の話 とか

科学の発見 to explain the world the discovery of modern science スティーヴン・ワインバーグ


 

 

ギリシア哲学者 まず美しいこと 詩 世界はかくあれかし 実証を求めるという態度が欠けている

天文学幾何学で研究するべき 無理数を封印

 数学が物理に役立つのはなぜか? 観察・実験を必要としない

  数学は科学ではない 世界について何も説明することはできない

  物理学は曖昧 数学的厳密さと摩擦

アリストテレスですら自然偏重 人工的状況による実験を軽視

 知それ自体のための知識 エピステーメーギリシア) スキエンティア(ラテン)

 実用のための知識 テクネ(ギリシア)アルス(ラテン)

 

ヘレニズム(アレクサンドリア ムセイオン)実用的技術 アルキメデス 

 当時のアテネアレクサンドリアは、リヴァプールーニューヨーク汽船と同じ時間

 医学は科学になりにくかった

  旧理論がうまく機能しないことに気づきにくい 患者の状態が常に異なる

  理論よりも回復=どんな理由であれ回復すれば権威

 必要を満たす科学研究は現実に向き合わせる

 

キリスト教 哲学はむなしいだましごと・教会での立身出世の機会

 

アラブ世界がギリシア哲学を承継 

天文学 役に立つ 記述ではなく証明する

 暦を作成する、地球上の距離を測る、礼拝の時刻を知らせる、キブラの方向を決める

医学 理論と観察結果の突き合わせが困難

 

地動説 ギリシアアリスタルコス

 コペルニクス 地動説は観測結果ではなく数学的にシンプルで首尾一貫している理論

ガリレオ 観測 偶然ではなく人工的環境で実験 望遠鏡 傾斜平面

  数学から脱却 幾何学は偏重

 ベーコン 科学には役に立っていない

 デカルト 物理学に数学をもちこむ

 ライプニッツ微分積分法を発表したが、科学に応用したのはニュートン

 ヴォルタ 電気と磁気の実験

 ラヴォアジェ 化学の実験 物質の本質の理解

 

生物学は目的論原理の上に成り立っている

自然淘汰による進化 遺伝情報とDNA 化学・物理学に裏付けられる

ソーシャル物理学 Social Physics アレックス・ペントランド

ソーシャル物理学 「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学

Social Physics how good ideas spread the lessons from a new science

’14’15草思社 アレックス・ペントランド MITメディアラボ創設

 

 


 

 直前に読んだ、善と悪の経済学からみると、社会を数学的に記述しようという真逆の内容。ただ、市場とか合理性と言う意味で数学を持ち出すのではなく、文化などを数学的に記述してみよう、という試み。そして、交通の便をよくして、人びとが交流する場を上手につくりだせば、創造性が増す、というのはまちづくりにおいて面白いポイント。 

 

社会物理学

情報やアイデアの流れと人々の高度の間にある確かな数理的関係性を記述する定量的社会科学

個人ごとの違いと個人間のつながりの両方を扱い、社会を数学的にとらえて予測可能にする科学

・ペナルティを使った規則や市場の競争に依存するのではなく、ソーシャルネットワークインセンティブを活用

・私たちが取る態度や思考は、他人の経験が統合されたものに基づいていて、文化と社会の基盤となっている ×主体性や個人選択

・市場や階級は平均像やステレオタイプを示す

市場←すべての人が同じものをみて、お互いに対等な条件で競争するのではなく、一部の人々がより良いコネを持ち、また別の一部の人々は他の人より事情に通じており、さらには距離とかタイミングといった副次的な要因によって影響される。人々は単に自己中心的で自律的であるわけではなく、他社との交流によって生み出された社会規範から大きく影響をうける

階級←仲間同士のグループではさまざまなグループに参加する

 

イデアの流れ いかにアイデアソーシャルネットワークの中を伝わるのか

ソーシャルネットワークを通じた新しい行動の伝播を、新しいアイデアを収集する探究行為と、その後に起きる仲間とのエンゲージメントを通じて、集められたアイデアの中から良いものを選び、習慣化する過程

 周囲への接触により健康習慣、政治志向、消費活動がアイデアの流れを規定

 自分の経験から学ぶより、周囲の高度に倣った方がずっと効率的だから

最善の学習戦略 90%が探究(うまく行動していると思われる人を見つける)

                 10%を個人による実験と考察

 

探究 新しいアイデアや戦略を発見する 創造性は個人の才能ではなく群衆の英知

   個人で考えたアイデアと、他人の行動から得られた社会的学習を結びつける

  ・社会的学習 成功した他人を真似る 自分のつながっている人を増やす

  ・多様性 集団志向やエコーチェンバー(共鳴)を防ぐ

  ・他人と反対の方向を取る人物 独自の情報を持っている

 準備的探究 事前に 多様な専門家たちと双方向の関係を築き、タスクを実行する際に頼る

速い思考 習慣や直観 過去の経験や他人の行動を観察することから導かれる連想

 より利他的、協力的で健全な社会を実現するうえで重要な役割を演じている

遅い思考 論理的思考 新しい結論に到達するために心の中にある信念が組み合わされる

 

エンゲージメント コミュニティのメンバー間で繰り返し行われる協力的な交流

問題に対する協調的な行動を見出すように社会的圧力を生み出すことで機能する

人々が自分の行動を適合させる

メンバー全員がチームの一部であるという意識を持たせることで、均一で調和したアイデアの流れをチーム内に生み出し、誰もが新しいアイデアに前向きに取り組めるように十分なコンセンサスをつくりだす 投票率が4倍になった

同じ集団に属するメンバーが新しいアイデアを受け入れるのを目にするだけで、それに加わって他のメンバーと協力しようという強いモチベーションが生まれる

 

社会的学習 新しいアイデアが習慣となる過程で生じる

 学習が社会的圧力によって加速したり、形作られたりする

ソーシャル・ネットワークインセンティブ

社会的圧力を生み、特定のアイデアに関するやり方を増加させ、その結果として人々がアイデアを行動として定着させる可能性を増やして、最終的にアイデアの流れを変化させる

個人に対する市場型インセンティブの4倍の効果

ターゲットなる人物と最も頻繁に交流しているバディには8倍の効果

直接的交流の回数からお互いをどの程度信頼しているか。社会的圧力の強さを予測できる

・交流が必要 繰り返し交流

・協力 チームメンバー全員に集団意識を持たせる

・信頼感 過去のやり取りの履歴とその結果が反映される

 

ソーシャル・ネットワークへの介入

・社会動員 短期的課題解決よりも新しい組織の構築

・チューニング アイデアの多様化を実現

・社会的エンゲージメントの活用 コモンズの悲劇への対処

集団的知性 

パフォーマンスの50%の決定要因

①アイデアの数の多さ

②交流密度の濃さ

③アイデアの多様性

 都市

①最も訪れる場所の訪問頻度は残りのすべての場所を合わせた訪問頻度を上回り、2番目に訪れる場所の訪問頻度はそれ以下の場所を合わせた訪問頻度を上回る べき乗則

②突発的な探究行為 訪れる頻度が最も低い場所

 

探究行為の多い都市は裕福になる 新しい経験を得て、新しい人々と知り合う行為は見返りがある

イデアの流れは、交通の便の良さと、同じ都市の住民間で生まれる交流の関数

社会的絆の密度が高いほど、アイデアの流れは大きくなり、生産性や創造性も高くなる

 社会階層や専門特化等の特別な社会構造を持ち出さなくても、GDP、研究開発活動の量、犯罪率などを人口から推定できる

 

デジタルメディアは対面でのコミュニケーションが持つ社会的シグナルを伝えることができないため、お互いの気持ちを読むことが難しいので、行動変化に必要な信頼を醸成するには向いていない

新しい行動を広めるというよりも、事実を広める方が適している

いちど現実世界での交流が始まると、その後離れた場所にいようと、デジタルメディア上での交流が信頼関係を強化する

 

デジタルパンくずを活用 一見意味のない微妙な身体運動の大きさやタイミング、たまたま誰かの近くにいたか、たまたま何を目にしたか、などのパンくずに社会を理解する宝がある 無意識に人の高度の影響を受けており、社会の実情を忠実に映している

 

データ駆動型社会 data-driven society

データのニューディール 公益を実現するために必要なデータをすぐ使えるように整備する一方で市民を守るという実効性のある保証を行う

課題①見せかけの相関関係が生じて簡単に間違った方向に導かれてしまう

   ②どうやって人間にも理解しやすい形にするか

 

超ネットワーク社会の規準

①社会効率 社会全体における最適な資源配分 見えざる手

 信頼できるデジタルの交換ネットワーク 開かれた市場とパーソナルデータの厳格な管理

②業務効率 機敏で、信頼性が高く、無駄なく機能する社会インフラ リアルタイムの状況の監視と、最良の反応が得られるアイデアを継続的に探究すること、それらアイデアに関するエンゲージメントによって状況変化に対する協調的で、一貫した反応を獲得する

レジリエンス(回復力) 社会システムの長期的安定性

善と悪の経済学 Economics of good and evil トーマス・セドラチェク 

チェコの経済アドバイザー。

合理性を基礎とする経済学に対し歴史的考察により疑問を呈する。読み物として面白い。

主張としては、すでに十分に持っていることに気づこう。ゴドーを待ちながら。政策としてはGDP最大化ではなく債務最小化を目標とする。

合理性を中基礎据える近代経済学の祖とされるスミスは倫理の観点の考察に苦心していた。触れられてはいないがケインズが財政政策は機械的な発動ができなにことが課題だと看破していたのに、どちらも承継者とされる人には都合良い部分だけに商店が当てられてしまったことが興味深い。

数学がトートロジーなので、数学を中心にして理論家されていってしまった経済学もトートロジーが多く、理論に意味が無い。 

三人客がいる場合に二杯のビールをどのように渡すか。液体だから三杯にすればいいじゃないか、と思ってしまうので、例としては・・・。

神話、宗教、神学、哲学、科学の中に経済学を探す

労働 城壁建設には感情のない人民こそ理想

都市に城壁 自然状態から解放され自然から遠ざかる 自然は資源の供給元

自然と社会を交換 分業と富の蓄積 利益や利得のためだけではない結びつき

人間が望むことは、欲求を満たすことではなく、もっと欲しがること

循環史観

 

旧約聖書

反禁欲的 法律と所有財産の尊重、社会的セーフティネットの整備

進歩の観念と時間を線と捉える感覚により人生には意味が与えられることになった

地上の楽園の追求=経済学

善と悪、その報いとして受け取る効用の関係

景気循環を倫理的に説明

安息日 生産性の最大化は許されていない

貨幣 信用としての抽象的概念 時間軸→金利

効用と快楽の間で幸福な妥協

 

古代ギリシャ

善も悪も人間に由来 野生は悪の宿るところではない

ヘシオドス 神はプロメテウスの行為に対する罰として資源を希少にした 効率的な分配の必要 労働は人間に定められた運命

タレス 哲学は世の中の現実に広く影響を与えうる 哲学は学問の女王

クセノポン 現実の世界を分析 アテナイの国富を最大化 貿易は公共の利益に資する 使用価値と交換価値の根本的なちがいを理解 

プラトン ①どのような問いを発してどのように答えるか ②世界を抽象化

 肉体の欲求を尊重しない 禁欲主義 需要サイドを絶つ 

 労働は奴隷のやること 供給サイドも断つ

人間が生きているのは影の世界 イデア 合理主義 知的かつ精神的な瞑想や自己認識の中で真理に到達する手がかりを得るのが理想

アリストテレス 現世 善の最大化 善は効用の最大化ではなく節度 過剰と不足は悪の、中庸が徳の特徴となる エウダイモニア=幸福こそ最も美しく、善く、快いもの

ストア派 効用と善は無関係 行為の倫理性 結果は運にゆだねるべきもの 法律を絶対 効用に意味はない 依存するものが少ないほど自由 肉体の欲求から自由になる スミスはストア派を自認

エピクロス派 効用と快楽を最大化 善=効用(結果)

 

キリスト教

キリスト教の基本メッセージは経済用語を使って解釈すれば理解しやすい

経済は社会の基本構造の一部とみなされ、それ自体は信仰の対象外?

原罪=消費の罪 消費する権利も必要もないものを消費した

贖罪 奴隷を買戻し解放する 負債の免除、罪の恩赦 積極的な不公平 善悪の計算を放棄

ある種のものは買うことはできず、与えられなければならない

悪行が利益に、善意が悪に転換される論理

 

デカルトと機械論>

科学の基礎を築こうと苦闘

 

<バーナンド・マンデヴィル> 蜂の寓話 私悪すなわち公益 悪徳

強欲は社会の進歩に必要な条件 進歩を実現する唯一の道はとにかく需要を増やすこと 個人の悪は公益に資する 市場は人間の悪徳を公益に帰る転換装置

 

アダム・スミス> 経済学の父

社会的行動の原理は共感 共感は社会を結びつける役割を果たす 倫理

倫理の重要性を説いたが、市場の見えざる手、利己的自己中心的ホモ・エコノミクスを説いたものと理解されてしまった

  

経済学のなかに神話、宗教、神学、哲学、科学を探す

<強欲の必要性 欲望の歴史>

パンドラ・エデン 神の呪い

①労働が楽しかった時代を覚えている

②悪をこの世にもたらしたのは欲望、好奇心、つまり人間のよからぬ性質

③神は人間に直接に呪いをかけたわけではない 人間が自ら不幸を選ぶように仕向けた

スミスは人間の強欲が意味するものを追求しているうちに経済学の領域に踏み込んだ

労働は人間の本源的な衝動→労働は呪わしい(創世記)、疎ましいギルガメシュ→魂(アウグスティヌス→消費

物質的、精神的な貪欲は人間の基本的な特徴

供給は需要を満たすのではなく新たな需要を喚起する

トートロジー 効用の最大化 効用(満足、快楽)の最大化をしない消費があるのか 反証不可能

 

<進歩>

時間は循環的だと考えられていたが、ヘブライ人が直線的時間の概念を導入し、キリスト教徒がめざすべき理想を定め、古典派経済学者が進歩を宗教から切り離した

消費に関して幸福になる道 永久に消費し続ける

←十分持っていると気づく「ゴドーを待ちながら」言ってごらん、ほんとでなくても。わたしはしあわせだ。しあわせになったところで、何をしよう?ゴドーを待つのさ。

ユダヤの律法 最大化という命題の対極

安息日 人間の本性は働き続けるので、強制的に仕事の成果を楽しまなければならない

一定の年月が過ぎれば債務は帳消し 富の蓄積は失効

しかし技術の進歩によって得られた時間の節約が、すべて生産に投じられている

不況期のためにとっておくべき財政赤字を好況期に食べてしまっている 余剰があるから不足を凌げる。新ヨセフのルール。GDPの最大化ではなく、債務の最小化が経済政策の目標となるべき

 下り坂でスピードが出たらブレーキを踏み、電気自動車のようにその分エネルギーを回収する

 

<善悪>善は報われるか

 

ヘブライ人は善悪こそが歴史の決定要因

ストア派は善の見返りを計算してはならない

エピクロス派は結果として報われればそれが善

キリスト教は神の慈悲を導入し善も悪も来世で報われる

マンデヴィル、スミスが私悪は公益

ベンサム功利主義

 

<見えざる手 ホモ・エコノミクス

役割①個人の悪を公の善に変える ②経済と社会の基本構造を結びつける カオスから秩序を生み出す

生来の利己心、善悪も役に立つ ヘブライでは善の従属 キリストでは同一次元

誰も望まなかったにもかかわらず生じた悪=罪 生け贄をささげることで対処

 キリストが自ら生け贄となり永遠に果たされた

 分業では罪の分担が悩ましく、しかも事後にならないとわからない 公害など

ダーウィン主義の社会への適用が社会ダーウィン主義だがダーウィンは社会的プロセスを生物学に応用

 スペンサー(適者生存)が社会ダーウィン主義者なのではなく、ダーウィンが生物スペンサー主義者

 トートロジー 生き残っているものは常に最適者

 

<アニマルスピリット>

何の理由もなく人を刺激し、行動に駆り立てる何か 人間の不合理で予測不可能な部分 英雄の元型

恥ずかしさを隠すための葉が初めて所有した外部財

隠したい、所有したい、自分の身を守りたい、という願望は、自由の喪失とモノ依存に結びつく

人間の欲望に自然なもの、自然発生的なものはない。何を欲しいかを教えられる。

動物に打ち負かされる、ロボットに打ち負かされる。どちらも無関心、無感動が戦う相手。

人間の位置は、合理的なホモ・エコノミクスとアニマルスピリットの間にある。

 

<メタ数学>

経済学が機械的な分配の学問になった 現実の世界には社会的な相互作用があるにもかかわらず数式でうまく説明できると考えるようになった

数学で最適な価格設定をすることにより計画経済は計画を立て経済を支配する手段とみなしたが、自由市場経済の方も必要とした

しかし最適な人間の行動を設計できなかった

数学は必要だが十分ではない 真実は数学より大きい 数学は普遍だが不変ではない

数学がエレガントでパーフェクトなのはそうなるように考案されたから 数学はトートロジー

決定論の立場では、ランダム性や偶然を理解するのはむずかしい 力学は量子力学によって決定論が弱められたが、経済学は世界を方程式の集合体として表現し、世界の動きを記述できると信じている

経済学が数学を援用するからといって、経済学が科学だということにはならない

 

<真理の探究>

経済学は規範的な学問なのか、実証的な学問なのか 学問から神話を取り除く努力

仮説は世界について考える手段、世界を観察する手段にすぎない

 しかし経済学の仮説は非現実的だが、真理を語っていると信じられている

モデル 何かのイメージ 経済的現実を具現化するためには、モデルに似せて経済を構築するのか、現実に似せてモデルを構築するのか

感覚的インスピレーションはエンジン、理性はブレーキ

 感情の領域にあったやわらかいものを合理的思考へと固めるプロセス

社会学者、法学者、心理学者、哲学者は、未来を予想しようとはしない。洞察を示すにとどまっている。経済学者は、何の予知能力も持ち合わせてないことを露呈し、危機の発生も規模も見通すことができなかったにもかかわらず、将来予測に熱心。物理学は生命のないものを相手にしているので将来のことを予想しやすい 万有引力相対性理論に道を譲った

予言はなされたがためにそれを引き起すこともあれば、食い止めることもある

 未来は神にとってさえ定まっていない アルフレッド・ホワイトヘッド

 旧約聖書の予言者は、未来を決定論的に預言したのではなく、警告を発して戦略的選択肢を提示した

セテリス・パリバス 他の条件が等しければ 他の条件が一定ならば

価格がどうなるのかあらかじめわかっていたら、そもそも市場は存在しない

 しかし未来について考えることは人生において欠かせない

理性と感情の二元論を放棄して、互いに相手を必要とし、相手を補い合う統合的、連続的系はあるのか?

理性はハード化された感情

言葉は主観的な感情を既存の最も近い表現に言語的四捨五入したもの

 主観的経験が言葉という抽象的で客観的なものに変えられる

時計を見て、短針と長針の位置を予測する理論は拵えられるが、ゼンマイや歯車の関係を説明する理論が選ばれるかは疑わしい

健康なときは名医と藪医者のちがいはないが、危機になって初めてよい医者は見分けがつく

 経済学は危機の際に役立たなかった 危機になれば真実が現れる 王様は裸!

チェスで重要なことが起きるのはチェス盤の外

経済学者は現実世界を忘れモデルを使って理論を展開する一方、現実の経験に基づいて経済理論を論じる必要がある 二重の悩み

 

<<経済学>>

かつて経済学は家計を管理するための知識

経済学はすべてを説明する、という壮大な野望を掲げた以上、狭い学問領域を飛び出してすべてを理解しようと本気で努力しなければならない 経済学者はより広い社会的責任を果たさなければならない

ただの経済学者にすぎない人は、けっしてよい経済学者にはなれない

市場経済が機能するかどうか、ではなく、望み通りに機能するのか、ということが問題

私たちはすでに満たされている

物質的希少性という見方をやめ、経済的ゆたかさという新しい時代を目覚めさせる ロバート・ネルソン

経済学は肉体と魂の両方を持つべき ハードはソフトを殺してきた 鍛冶屋のカインはそよ風のアベルを殺した

居酒屋に客が三人いるのにビールが二杯しかない状況

 富をどのように分配するか 哲学(権利とは)、倫理学(公平とは)、社会学(社会的地位はどんな権利を生むか)、心理学(どう行動するか)

 三杯目のビールが出現した瞬間に万事解決+正義の問題が掻き消える=経済成長を象徴

 ゼロ成長 資本主義も民主主義も成長がなくとも存在しうる

 

 

ジュール・ヴェルヌ 八十日間世界一周 ほか

八十日間世界一周をたまたま読んで、一通り読みたくなった。

小説ごとに主人公の出身国が違うのが、主人公のキャラクターに反映されているのだろうか。

厳密な理論や数値はわからないけれど、理論と数値に基づき気球や潜水艦やロケットや様々な道具をつくり、旅に出る。

仲間割れしない。危機に際して冷静に機転を利かして協力してひたすらに旅をする。

基本的に土地土地に対して偏見や侮蔑的なものが無い。

 

八十日間世界一周 Le Tour du Monde en Quatre-Vingts Jours」

読みたいと思いつつ、映画で見たこともあるし、結末も知っているので、なかなか読む気にならなかったのだけど、ようやく読むことができた。

フォッグ氏が駆け足で旅するのがもったいないなあ、と思いつつ、私も駆け足で旅したので、街の印象の記述に親近感を感じる。帰りのチケットのフライトまでの間に、たよりにならない情報をもとにその場所まで向かう。

1872年12月21日午後8時45分が期限。ロンドンからフランスに渡りイタリアまで抜けてカイロ、アデンを経てインドまではあっという間に進むのは、当時すでにインドまでは当たり前に渡航できた、ということなのだろうか。

予定のスケジュールに実際の到着地を重ねていく。余裕があると寄り道して、遅れていると途中を省略する。旅の仕方も似ている。私は途中で途方に暮れたりしたけど、フォッグ氏は常に沈着冷静。象を使ったり、船員を買収したり、燃料にするために途中で乗船している船を買ったり、とお金があるから冷静でいられるのか。一方でインドでアウダ夫人を助けたり、インディアンに捕まった従僕パスパルテゥーを助けたり、と、そういった面を隠し持っている。私も途中での思いがけない出会いを楽しんだ。

Quatre-Vingtsという言葉の響きがいいのかな。

 

「気球に乗って五週間 Cinq semaines en ballon」

デビュー作。気球でアフリカ大陸を横断!アフリカを旅する前に読みたかった。水をブンゼンの電池で分解して水素を得て、それを暖めたり冷ましたりして制御するヴィクトリア号という気球をつくったイギリス人サミュエル・ファガーソン教授が、従者ジョーと猟の好きなディック・ケネディーとザンジバル島から旅立つ。「わたしは、わたhしの道を行くのではない。わたしのあとにできるのがわたしの道なのだ。」空からの形容がグーグルアースを見ているようで面白い。

かつてアジアが文明の中心で、そこの土地が収奪されて人はヨーロッパに移った。そこもだんだん活力が落ちてきて、アメリカに移ろうとしている。そこもやがて収奪されると、いよいよこのアフリカが活力のある場所になるだろう、と語りながら、リュヌ地方を訪れる。月の山。まだナイル源流とは知られていなかったのか。。

現地人に襲われたり、チャド湖で鷲に穴をあけられて不時着したり、無風の沙漠で身動き取れなくなったり。

現地人にとらわれていた司祭を助け、神のもとに返す。そこで金鉱を発見したが「人間として何が大切か」「金が人を幸せにするのか」と問い、持ち帰ることを断念させる。

荷物もゴンドラも捨てて、草を燃やし、グイナの滝にたどり着く。

 

地底旅行 Voyage au centre de la terre」

ハンブルクに住むリーデンブロック教授はルーン文字で書かれた文書を甥のアクセルに助けられて解読すると、アルネ・サクヌッセンスがアイスランドのスネッフェルス山から地球の中心に到達した旨記載されていた。ガイドのハンスを雇い、地底の旅に出かける。「運命がいかなる道を示そうと、ただその道を行かん エト・クァクンウェ・デデリト・フォルトゥナ・セクァムル」ウェルギリウス アエネイスの言葉。

理論的に位置や方角などを計算する教授に対し、ところどころのつじつまの合わない点をいぶかしがるアクセル。しだいにアクセルの方が積極的に進んでいく。このやりとりが面白い。この面白さがなんだろう、と思っていたら、解説によればまさにドン・キホーテそのもの。

地底に海をみつけ、まさに地中海。火山噴火により、ストロンボリ島から地表に戻る。4800km11週間の旅だった。

 

海底二万里 Vingt mille lieues sous les mers」

パリ自然史博物館のピエール・アロナックス教授が、ネモ館長の潜水艦ノーチラス号

に拉致されて海底の旅に。潜水艦は水を圧縮して重くすれば沈む。「陸に必要なのは新しい大陸ではなく、新しい人間」

紅海と地中海はアラビアン・トンネルでつながっていた。

アトランティス大陸上陸。

南極点到達。

フェロー島とロフォーテン諸島の間にある大海のへそで脱出。

 

「ミステリアス・アイランド L’ile mysterieuse」

南北戦争から脱出したサイラス・スミスとニューヨーク・ヘラルドの記者ギデオンス・ピレットら5人が太平洋の孤島に漂着する。

ロビンソン・クルーソー的なところ、こちらは次々と文明の利器をつくりあげていく。ダイナマイト、蝋、一粒の麦から麦(一粒に10穂、1穂に80粒)、石炭を燃やして精鉄。亜鉛とカリを用いて電池、鯨のひげを使ったわなで猟、など。

危険が迫るときに奇跡的に助かることが幾度かある。海底二万里のネモ館長が助けてくれていた。

 

「月世界に行く Autour de la lune」

 アメリカの大砲クラブのインペイ・バービケーン会長とニコール大尉とフランス人ミシェル・アルダンが12月1日20:47にフロリダの900フィートのコロンビナード砲で40万ポンドの綿火薬により直径108インチ、19,250ポンドのアルミニウム製砲弾により月に向かう。彗星に軌道を曲げられたり、月で火山噴火に遭遇したりするも12日1:17太平洋に落下。

 

「地軸変更計画 SANS DESUS DESSOUS」

北極圏が競売にかけられ大砲クラブの北極実用化協会ガエヴァンジェリーナ・スコービット夫人の援助により81万4000ドル、平方マイルあたり200セントで落札。月旅行の際の大砲を改良したメリーライト火薬(メリメラはごたまぜ)2000tにより18万tの砲弾を発射して地球の自転軸を変えることで北極を温暖な場所に移す作戦。場所はキリマンジャロ。数学者JTマストン。

 

「氷のスフィンクス Le sphinx des glaces」

エドガー・ポーによるアーサー・ゴードン・ピムの冒険の物語に惹かれジョーリング具は レン・ガイ船長のハルブレイン号に乗船させてもらい、南極をめざす。

 

十五少年漂流記(2年間の休暇)DEUX ANS DE VACANCES」

ニュージーランドオークランドのティアマン寄宿学校の生徒が夏休みにスラウギ号の旅に出るところ、乗組員不在のうちに流されてしまい、漂着。

「おそれずにおこなえ。常に努力せよ。つかれは有益である。これを実行すればからだも心もしっかりしてくる。」

「どんな危険な状態におちいっても、秩序と熱心と勇樹とをもってすればきりぬけられないことはない」

 

脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克 中野剛志 中野信子 適菜収

対談。近代的合理性、知性偏重への懐疑。合理性で考えれば、子供を持たない方が可処分所得も増えるし、政治よりも脱出を選んでいく。でも多くの人にとって自由は苦痛。ナショナリズムや宗教がその反動。

格差拡大は平和のせい。だとすると、格差は縮まらないのか?

 

近代的人間観を捨てよ!

・人間の攻撃性

自分のリソースを奪われまい 不安 女性 セロトニンが少ない

他人のリソースを奪いたい 男性 シャーデンフロンテ メシウマ感情 人の不幸で飯がうまい

ドーパミンが多い民族は外交上手だが浮気性 ヨーロッパ 自分でルールを探し出す

                                                                       ←日本、東アジア ルールに引きずられる

・対象との類似性、獲得可能性が高いと妬みの感情が強くなる 俺にもできるのになぜあいつだけ

 

ナショナリズム 内集団バイアス 身びいき

 人間の集団は放っておくと戦争になる性質を包含 根拠のない優越感

・ジャスティス(正義)の論理 男性 一般論、原則論に基づき断定的

 ケア(配慮)の論理 女性 具体的に相手に共感して判断する=保守 空気を読む セロトニンが少ない

・人間関係の解決方法 アルバート・ハーシュマン イグジットかボイス

 束縛がないとイグジットする→ボイス 改善しようという意欲は束縛から生まれる

・知性を鈍らせなければ人間は繁殖もできないし共同体の維持もできない

 知性を鈍らせる(理性の暴走を防ぐ)には、アルコール、宗教、ナショナリズム

・聖的なものは、知性ではなく権威でもって黙って従わせる

 一神教 創造破壊志向の強烈な集団だった ルールを見つける

・われわれ(同じネイション)という観念をもたないと代議制はできない

 

自由 

 ・身長 遺伝70%、柔らか頭・地頭 70%、知能 一般因子は50%、言語性知能 15% 景観や環境の影響が大きい

環境要因によって遺伝するのは一世限り エピジェネティック 利根川進

・自由は不快 人間の脳は自分の意思で何かを決定することには向いていない

 国民主権、民主主義は人間の脳にそぐわない

前近代的な共同体が崩壊したから戦争の道にすすんだ

前近代の否定=親殺し 丸山眞男

・暴走進化論 生物の進化がある方向に暴走する 適応に無関係 知性偏重も?

・アメリカ 同調圧力が高い 規格や標準化が好き

 アメリカ人は選択の自由を尊重する。ただし、アメリカのやり方を選択したときだけ。

 自由という理念を守ることが保守

 

ポピュリズムルサンチマンをかき集めて票にする B層

・知的エリートA層が支持 賢いからバカを支持する 勝ち負けを冷徹に計算

    直接的な被害者ではない 社会が破壊されていく様子を観察するのが楽しい

・オキシントン 幸せホルモン 集団で活動するときに集団内の結束がより強固となり、排他的差別的になる

・集団でいることの快感を助長するのが構成員の誰かを排除=生贄にする行為 都市部は生贄が圧倒的に多い

・デイヴィッド・リースマン

伝統指向 伝統に従う

内部指向 自分の価値観にしたがい行動 共同体の価値観を自分の中に持っている

他人指向 他人に流される 共同体から切り離されているから集団への帰属を求める

サイコパスは正義を擬態 美醜と正邪の判断は脳の同じ領域の反応にもとづく

・ルックスの良し悪しと知能の高低は連動する

適応的な遺伝子を引き継いでいる人間を美人と判断する ブスでもいいから子供を産め、はおかしい

結婚の自由市場化により女性の容貌への評価の重みが増し、容貌が経済格差に直結する社会環境に変化した

・オタクと左翼は似ている 現実を抽象化し理念を精製する

・自己利益の計算の結果としての協力行動は二人くらいまでしかできない

 →社会は知性以外のもので統合されている

・自己欺瞞能力が高い=自己正当化能力 自分に都合のいい情報を集積し凝縮 バカに何を言っても無駄

 

戦争

・戦争により平等というイデオロギーが加速 軍事組織・国家財政・動員

戦争には富の再配分の機能がある 戦争は健康や教育が必要なので戦争のおかげで福祉国家

平和のせいで格差拡大

・知性主義 机上の空論 知性の陥穽

反知性主義 プラグマティックなものを重視 本来良い意味を左翼がネトウヨにレッテル貼り

・子供が大人になるのは、ソーシャライゼーション慣習や制度を教えられて社会化していく

 タブラ・サーラ(白紙) 社会を根本的にラディカルに改造したい人は子供を純粋な存在と思いたい

 人間は社会とか環境とかどうにも抗いようのないものの中で人格が形成され、容貌の美醜や知性の優劣もかたち作られていく=本当の自分なんてものはない

・殺戮を楽しめる人は1% 戦争が好きな人は死んでいく

 生き残った人の大半は生き延びたくて逃げ足が速かった

・陸軍は絶対的な権力が必要なので、立憲主義は邪魔になり、絶対王政が強くなった

イギリスは島国で海軍だけで守れたので立憲主義が残り、自由が残った

  自由主義とか立憲主義という価値観は、地政学的な要因が大きい

・腋のにおいが子作りのためのフェロモン 腋臭を嗅ぐと性欲が高まる 少子化の原因は核家族

ゲマインシャフト(共同社会)化した会社はだめになるどころかパフォーマンスがいい

 人間は集団で生きるのが進化の上で適応的だった 長く付き合う以外に相手のことは認識できない

 

イラク戦争=普遍的価値観を掲げるアメリカの新世界秩序が終わった

 リーマン・ショック=経済のグローバル化が終わった

・需要と供給が均衡するのは物々交換の世界だけ

不確実性に対する準備として貨幣を貯める 不確実性があると供給と需要は均衡しなくなる

・人間の本質や社会の現実というのはそれなりの研鑽を積まなければ理解できない

・人間という観察者がいるからこそこの宇宙は成立している 人間原理 純粋に客観的な心理は無い

・人間はわかりあえないが、共存しなければならないから、共通の記号を用いて一応わかったことにしている

 孤独な自我を強烈に意識するのは、個人主義の伝統があり、だからこそ共同体とかシンボルとか権威の重要性をわかっている

Black Sheep 悪癖の科学 その隠れた効用をめぐる実験 リチャード・スティーヴンス

リチャード・スティーヴンス イグ・ノーベル賞

いろいろな実験で不道徳的なことの効用を探る。

 


 

相手かまわず

 性的興奮も脳の報酬回路を活性化させる 痛みの感受性低下

 男性は視覚優位、女性は触覚優位 オーガズムの瞬間は共に衝動抑制が不活性化

 オーガズムは快感の絶頂なのに苦悩にゆがむ顔になる

 セックスは体力を奪い取る ストレスが解消される

 クーリッジ効果 無反応になっても相手が変わると男女ともよみがえる

 性的刺激が意思決定に影響 目先の利益を優先するようになる リスク選好

 赤い色は男性の闘争心をあおる

 

酒は飲め飲め

 アルコール依存症からアルコール使用障害に名称が変わった

 生活環境が薬物摂取に関係 生き方や状況がそうさせる

 酒は心臓病やうつ病のリスクを下げる

 飲酒の影響で注意力、集中力が低下するが、想像力は高まる

 適度の飲酒で男性も女性のように相手の感情に伝染しやすくなる

 度を超すと尊大になり、自信過剰になる

 迎え酒は二日酔いに効く 二日酔いはアルコールへの欲求を失わせる

 

チョー気持ちいい 侮蔑語卑猥語

  一日に話す言葉の0.3~0.7%が侮蔑語卑猥語

  1.5万くらいので60~90語

 悪態の種類 社会的悪態 不快表現の悪態、侮蔑的悪態、様式的悪態

 知能指数が低いほどよく口にするが、社会階層の頂点ではねあがる

  最大の効果をねらう?

 侮蔑的表現で論点を強調すると、議論の説得力が押し上げられる

  ただし聞き手がすでに内容に共感しているときだけ

 悪態をつくことで痛みへの耐性が高まるが、濫用すると効果が薄まる ラロケジアlalpchezia

 

アクセルを踏みこめ!

 ハンドルの持ち方で運転の対応がわかる 片手運転

 スピードを上げるのは楽しさと挑戦 退屈しているとスピードをあげる

 運転技術があるから安全運転になるわけではない

 

恋をしましょう

 生理的な変化が先にあって、それに心理的な情動のラベルがくっつく

 魅力的な顔は平均性と見慣れた顔(単純接触効果)

 恋は精神だけでなく身体の健康さえも危うくする

 妻が夫に慈愛を注いだ場合、妻は健康になり幸福度が上昇し、夫は不健康になる

 夫が妻に慈愛を注いでも両者の健康状態は変わらない

 恋愛の初期は神経成長因子が増える

 恋に落ちて結婚した夫婦のほうが長年の関係に満足している

 

もっとストレスを!

 スカイダイビングは可能を自己調整できる場面

 ストレスを受けると精神機能が低下して情報処理がとどこおる

 ストレスが記憶をつくる過程を強化して忘却を寄せつけない

  ただしストレスがなくなってから

  記憶を想起するプロセスではなく記憶痕跡を定着させるほうに作用

 時間の流れが遅くなったが感じるだけで処理速度は変わらない

 エンドルフィンが多幸感 ユーストレス

 笑顔でディストレスが減ってユーストレスが増える

 ユーストレスが感情の自己抑制・記憶力の向上

 

サボりのススメ

 秩序は前例を優先させる保守的傾向、無秩序は新しいことに重きを置く独創的傾向

 チューイングガムがストレス解消効果

 いたずら書きをしている人のほうが記憶力がよい 退屈な作業のなかで集中力を保つ

 退屈するとそこに意義を見いだそうとする

  可能性が広がる ほかのことをしろという合図

 退屈すると不快になるとわかっていることをあえて選んだりする

 

ダイ・ハード 臨死体験

 臨死体験では血中酸素濃度がむしろ高いので鮮明に記憶に残る

  喜びと平穏に満ちた体験

 臨死体験者は死をあまり恐れなくなり死後の世界を信じるようになる

 死は意外にも喜ばしい体験

 感情は時間の流れを先回りできない

  未来の出来事に対する感情を予測するのが難しい

アーネスト・ヘミングウェイ

「the sun also rises日はまた昇る

邦題からは颯爽とした復活の話かと思いきや、againではなくalsoなんだよね。読んでいると繰り返される日常、という意味のような気もするが、そこからもがいて抜け出す兆しも見えてくる。会話に出てくるa lost generation 失われた世代 とよく訳されているが 自堕落な世代 lostは迷子 さまよえる。 でもさまよえる子羊はstray sheep。よく言われる、失われた20年、はこの言葉からきているような気がするが、受け身形ではなく、この小説のようなもっともがいている感が欲しい。「人生は着実にすぎ去っていくのに、自分は存分にその果実を摘みとっていない」「面白いじゃないか、そう想像するだけで」

※ブログ記事等でコードを引用される場合は、はてなブログのブログカード機能利用等により引用元を明示いただきますようお願いします。