虚栄の市(サッカレー)

同級生の貧しい家に生まれ育った女性と裕福な家に生まれ育った女性の人生。貧しい家に生まれ育った方が社交界で羽を広げるが最後はみすぼらしく余生を過ごす。裕福な家に生まれ育った方は家が没落し、結婚相手にも死なれ(ナポレオン戦争で)、子を夫方の家に取られるが、最後はずっと見守ってくれていた男と一緒になる。

わかりやすいストーリーだなあ、と思うのだが、ときおり作者が顔を出す。出しゃばりで教訓くさいのだが、虚栄がなければ世の中つまらない、経済は成長しない、そして虚栄はしばらくの間は回りを信じ込ませることができる。と言う。これは本質をついているなあ、と思う。無理をしてでもきれいな服が着たい、立派な家に住みたい、そういう人が望む服を作る、家を作る、そしてそういう生活をしている人には人が集まる。

ストーリーと教訓が結びついていないような気はするが、それはそれとしてイギリス帝国の社交界の雰囲気が漂ってきた。

戦争に向かう男たちに逡巡がないのも興味深い。貴族の義務だからだろうか。戦死した場合の相続についてもきちんと済ます。戦地に妻も連れて行き、社交界が繰り広げられている。