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チボー家の人々

題しか知らなかったのだけど、この分量(約350ページ×5巻)を読めそうな時間ができた。チボー家の大河ドラマか、と思っていた。チボー兄弟の話。真面目な兄アントワーヌとやんちゃな弟ジャック。ブルジョアの家で疑問を抱かずに医者になったアントワーヌ。ジャックは、カトリックの父が嫌いなプロテスタントのフォンタナン家の息子ダニエルと家出をしたり、妹ジェンニーに好意を寄せたり寄せられあったり。そして家を飛出し、小説を書く。当たり前にブルジョアでいることへの疑問。

父の死に目に再会する。ちょうどそのころいわゆるサラエボ事件が起きる。この対応に社会主義は戦争をしないはずだ、と信じるジャック。戦争を回避するためにヨーロッパ各国の社会主義者が動き回る様子が描かれる。それを他人事のように見ているアントワーヌ。しかし国家主義社会主義を凌駕して、大戦がはじまる。ジャックは反戦ビラをまくための飛行機が墜落して、スパイと疑われてつかまり、殺されてしまう。

ドイツの毒ガス攻撃の調査に向かったアントワーヌは、自ら毒ガスを吸ってしまい、呼吸器に障害をもってしまう。そして、戦争が他人事ではなかった痛感する。

フォンタナン家ではジェンニーはジャックとの子ジャン・ポールを、戦争で足を失ったダニエルがかわいがっている。アントワーヌは幼いジャン・ポールにジャックの意思を手紙につづる。それでも平和な世界を実現するのはとても困難な道だろう、と。

1922年から1940年までかかって書き上げ、しかも途中の1937年にノーベル賞を受賞している。それだけ反響が大きかったのだろうし、深い反省があったのだろう。それでも再度戦争は起きてしまった。