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幸せになる資本主義 田端博邦

個人の責任によって生じたものではないものに自己責任を問う社会では、利己心を増進させ、公共への関心を薄め、個人の孤立化と社会の解体を促進する

しかし社会の連帯がなければ福祉国家は成立しない

 

 

教育は自己責任か?

教育費用の負担は子供が責任をとりえない 本来期待される自己責任の機会を奪う

教育を受ける機会を提供する社会は、個人的利益のみを追求する個人によって構成される社会ではありえない

 

雇用は自己責任か?

労働問題が労働者個人の責任によって生じたものではない

日本:市場から労働者を隔離する

ヨーロッパ:市場の周囲に社会的制度を発展させる

カルテルは企業間の協調 市場の変動から企業組織を守る but新技術や経済の革新を妨げる

企業は倒産したり解散したりしても人の命にはかかわりがない

but膨大な数の労働者と所得の場を提供し、生産活動の大部分を担っている

∴個人と同じ自由はない CSR 富豪の富は公共のもの

  

・人間としての、市民としての生存が確保されていることは、あらゆる個人の自由の前提条件である

・ネオ・リベラリズムの主張する自己責任は、自己責任の現実的な条件が欠如している社会において、自己責任を求めている

・小さな政府の国ほど大きな政府への批判が強い

福祉国家が成立するためには、その社会における政治的な民主主義と市民の間における非競争的な、共同的連帯的な意識の存在が必要

 

・グローバリゼーションとネオ・リベラリズムが併進する時代には、他方で一国が社会の必要によってつくりあげた公共的な施策、社会的な施策を維持することが困難になる。

・市場がグローバル化すれば、世界的な規模での所得再分配と環境規制を行うことが人間的な資本主義のためには必要となる

・グローバル世界が一つの社会として形成されることは、われわれの社会と同様に、その構成員である各国とその人々の共通の利益あるいは公共善、ウェルスフェアの実現がその目的となる、ということ

 

・社会は、市場よりもはるかに広い概念

・社会を資本主義が基礎としている市場的論理で割り切ろうとすることはもともと無理

・土地、労働力、貨幣を商品化した点に資本主義の特徴を見出すが、

大企業等協同の組織を含み、資本と労働の対立のような市場的関係だけでは割り切れないものを含む

 

・公共的な支えが弱まると、ますます自己責任で生活をたてなければならなくなり、利己心を増進して、公共性への関心を後退させ、個人の孤立化と社会の解体に帰結する