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脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克 中野剛志 中野信子 適菜収

対談。近代的合理性、知性偏重への懐疑。合理性で考えれば、子供を持たない方が可処分所得も増えるし、政治よりも脱出を選んでいく。でも多くの人にとって自由は苦痛。ナショナリズムや宗教がその反動。

格差拡大は平和のせい。だとすると、格差は縮まらないのか?

 

近代的人間観を捨てよ!

・人間の攻撃性

自分のリソースを奪われまい 不安 女性 セロトニンが少ない

他人のリソースを奪いたい 男性 シャーデンフロンテ メシウマ感情 人の不幸で飯がうまい

ドーパミンが多い民族は外交上手だが浮気性 ヨーロッパ 自分でルールを探し出す

                                                                       ←日本、東アジア ルールに引きずられる

・対象との類似性、獲得可能性が高いと妬みの感情が強くなる 俺にもできるのになぜあいつだけ

 

ナショナリズム 内集団バイアス 身びいき

 人間の集団は放っておくと戦争になる性質を包含 根拠のない優越感

・ジャスティス(正義)の論理 男性 一般論、原則論に基づき断定的

 ケア(配慮)の論理 女性 具体的に相手に共感して判断する=保守 空気を読む セロトニンが少ない

・人間関係の解決方法 アルバート・ハーシュマン イグジットかボイス

 束縛がないとイグジットする→ボイス 改善しようという意欲は束縛から生まれる

・知性を鈍らせなければ人間は繁殖もできないし共同体の維持もできない

 知性を鈍らせる(理性の暴走を防ぐ)には、アルコール、宗教、ナショナリズム

・聖的なものは、知性ではなく権威でもって黙って従わせる

 一神教 創造破壊志向の強烈な集団だった ルールを見つける

・われわれ(同じネイション)という観念をもたないと代議制はできない

 

自由 

 ・身長 遺伝70%、柔らか頭・地頭 70%、知能 一般因子は50%、言語性知能 15% 景観や環境の影響が大きい

環境要因によって遺伝するのは一世限り エピジェネティック 利根川進

・自由は不快 人間の脳は自分の意思で何かを決定することには向いていない

 国民主権、民主主義は人間の脳にそぐわない

前近代的な共同体が崩壊したから戦争の道にすすんだ

前近代の否定=親殺し 丸山眞男

・暴走進化論 生物の進化がある方向に暴走する 適応に無関係 知性偏重も?

・アメリカ 同調圧力が高い 規格や標準化が好き

 アメリカ人は選択の自由を尊重する。ただし、アメリカのやり方を選択したときだけ。

 自由という理念を守ることが保守

 

ポピュリズムルサンチマンをかき集めて票にする B層

・知的エリートA層が支持 賢いからバカを支持する 勝ち負けを冷徹に計算

    直接的な被害者ではない 社会が破壊されていく様子を観察するのが楽しい

・オキシントン 幸せホルモン 集団で活動するときに集団内の結束がより強固となり、排他的差別的になる

・集団でいることの快感を助長するのが構成員の誰かを排除=生贄にする行為 都市部は生贄が圧倒的に多い

・デイヴィッド・リースマン

伝統指向 伝統に従う

内部指向 自分の価値観にしたがい行動 共同体の価値観を自分の中に持っている

他人指向 他人に流される 共同体から切り離されているから集団への帰属を求める

サイコパスは正義を擬態 美醜と正邪の判断は脳の同じ領域の反応にもとづく

・ルックスの良し悪しと知能の高低は連動する

適応的な遺伝子を引き継いでいる人間を美人と判断する ブスでもいいから子供を産め、はおかしい

結婚の自由市場化により女性の容貌への評価の重みが増し、容貌が経済格差に直結する社会環境に変化した

・オタクと左翼は似ている 現実を抽象化し理念を精製する

・自己利益の計算の結果としての協力行動は二人くらいまでしかできない

 →社会は知性以外のもので統合されている

・自己欺瞞能力が高い=自己正当化能力 自分に都合のいい情報を集積し凝縮 バカに何を言っても無駄

 

戦争

・戦争により平等というイデオロギーが加速 軍事組織・国家財政・動員

戦争には富の再配分の機能がある 戦争は健康や教育が必要なので戦争のおかげで福祉国家

平和のせいで格差拡大

・知性主義 机上の空論 知性の陥穽

反知性主義 プラグマティックなものを重視 本来良い意味を左翼がネトウヨにレッテル貼り

・子供が大人になるのは、ソーシャライゼーション慣習や制度を教えられて社会化していく

 タブラ・サーラ(白紙) 社会を根本的にラディカルに改造したい人は子供を純粋な存在と思いたい

 人間は社会とか環境とかどうにも抗いようのないものの中で人格が形成され、容貌の美醜や知性の優劣もかたち作られていく=本当の自分なんてものはない

・殺戮を楽しめる人は1% 戦争が好きな人は死んでいく

 生き残った人の大半は生き延びたくて逃げ足が速かった

・陸軍は絶対的な権力が必要なので、立憲主義は邪魔になり、絶対王政が強くなった

イギリスは島国で海軍だけで守れたので立憲主義が残り、自由が残った

  自由主義とか立憲主義という価値観は、地政学的な要因が大きい

・腋のにおいが子作りのためのフェロモン 腋臭を嗅ぐと性欲が高まる 少子化の原因は核家族

ゲマインシャフト(共同社会)化した会社はだめになるどころかパフォーマンスがいい

 人間は集団で生きるのが進化の上で適応的だった 長く付き合う以外に相手のことは認識できない

 

イラク戦争=普遍的価値観を掲げるアメリカの新世界秩序が終わった

 リーマン・ショック=経済のグローバル化が終わった

・需要と供給が均衡するのは物々交換の世界だけ

不確実性に対する準備として貨幣を貯める 不確実性があると供給と需要は均衡しなくなる

・人間の本質や社会の現実というのはそれなりの研鑽を積まなければ理解できない

・人間という観察者がいるからこそこの宇宙は成立している 人間原理 純粋に客観的な心理は無い

・人間はわかりあえないが、共存しなければならないから、共通の記号を用いて一応わかったことにしている

 孤独な自我を強烈に意識するのは、個人主義の伝統があり、だからこそ共同体とかシンボルとか権威の重要性をわかっている