Θたけのこ たびの話とか

たびの話、科学の話、読んだ本の話 とか

・北海道

秋休み。2週間ほどの予定がキャンセルになってどうしよう、と思って時刻表を眺めていたら、東京港から釧路行のフェリーが今夜でていることを発見。ママチャリでフェリーふ頭に向かった。いままで特に自転車の旅をしたことがあるわけでもなかったのだけど、なんとなく、一日300kmくらいは走れそうに思っていて、気軽に一周してみよう、と考えていた。一辺約300kmの四角形に200kmくらいの渡島半島。そうすると、釧路から納沙布岬に行って、知床半島を横断して網走。稚内。旭川。帯広から襟裳岬。苫小牧から札幌、小樽。支笏湖洞爺湖、室蘭。函館。本州に渡って、東京まで走ろう!2週間かれば十分。

 

東京港でママチャリで乗り込もうとすると、とても怪訝な顔をされた。船は大部屋で適当に場所をとる。風呂に入るくらいしかすることはない。

釧路出発。まずは根室を目指しさっそうとこぎ出す。海沿いを走っているはずなのに、海は全く見えない。一時間たって13kmくらい。なぜこれだけしか走れないの。。。自転車が重い、と振り向くと、なんととてもなが~い上り坂。スケールが大きすぎて坂道が分からない。日が暮れる。根室に到着。ユースホステルに泊まる。一日100kmほどしか走れなかった無力さを宿泊していた人にこぼすと、通常100kmも走れないよ、と言われ少し気が楽になったけど、北海道の回り方の大幅見直しが必要だ。

納沙布岬まで30kmほどだとすると、往復するだけで一日が終わってしまう。悩んだ末、このまま北に向かうことにする。知床半島の付け根あたりで暗くなり、そのままもくもくと進む。羅臼ユースホステルに泊まる。暗くなって走ると熊に襲われるよ、と言われる。

知床峠を登る。ほとんど歩いている。途中すれ違ったり追い越していくバイクに手を上げて挨拶するも、誰も返してくれない。途中の展望台で休憩していると、ライダーたちが集まってきた。いつもこの峠を越えているんですか?と。なんと住民だと思われていた。ママチャリで走っている人は初めて見た、と。3時間くらいかかって峠に着いた。下りはなんと15分!斜里のユースホステルに泊まった。噂ではとても個性的な宿、とのことだったけど、ピーク時期ではないようで、静かな一夜だった。

稚内に向かうかどうか悩み、オホーツク海を3日見ながら走るのはつらい・・・と思い、旭川を目指す。大雪山を望みながらもくもくとこぐ、というか歩く。留辺蘂ユースホステル

旭川を通り、12号を走る。なんと一時間に30km以上進める。山道ではないので日が落ちても進む。北大の寮に泊めてもらう。領内放送で、宿泊希望者を止めてくれる部屋を募集され、応募してくれた部屋に泊めてもらった。話は尽きない。高校の同級生に会おうと思ったけど、帰省中のようでいなかった。

雨。台風が近づいているらしい。函館を目指し、とりあえず支笏湖に向かう。札幌を抜けると雨が降ってきた。雨脚がどんどん強まる。支笏湖で西に向かうと、なんと道が終わっている。折り返しに途方に暮れていると、トラックが乗せてくれた。分岐点で降ろしてもらう。というか、雨のなか心が折れかけていたので、もっと乗せてほしかったのだけど。ポンチョをくれた。ありがとう。しばらく風雨が続くらしい。洞爺湖に向かうつもりだったけど、苫小牧に向かい、そのままフェリーに乗った。本州を走る気力が無い。なんだか無力感でいっぱいの旅。

大洗から深夜の6号線。北海道が嘘のように、足が軽い。3時間ほどで東京に着いてしまった。

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