SAVING CAPITALISM 最後の資本主義 ロバートBライシュ
自由市場といいながら制度が歪められている。連帯すれば制度は変えられる。
資本主義の構成要素
①所有権 所有できるものは何か 奴隷制、財産から団結する自由へ、予約座席、環境、知的所有権
②独占 どの程度の市場支配力が許容されるか ケーブルTV、種子、ICTプラットフォーム、金融、保険
③契約 売買可能なのは何で、それはどんな条件か 身体、銃、荒天時のタクシー、金融取引の受信時間 強要される契約 標準契約書、使用許諾、ローン契約、フランチャイズ、引き抜き禁止
④破産 買い手が代金を支払えないときとはどうなるか 債務監獄、逃げ切るCEO
⑤執行 これらのルールを欺くことがないようにするにはどうするか 規制する側とされる側の回転扉に油が差してある 痛くない罰金
ピケティが指摘した資本に対する利益が減少しないのは、ピケティが指摘する相続というよりも、富のシェアを支配する者が、市場を機能させるルールに対する影響力を獲得したから
能力が、より多くのカネを捻出する仕組み、他者の資産や収入から奪い取る新しい手法へのイノベーションに向けられている
福祉や教育 発明や投資 へ 報酬がその人の価値を決める?
失敗しても高額報酬、人員削減で高額報酬
中間層の交渉力を弱め、低賃金、リスク転嫁 ワーキングプア 無いのは機会+政治力
最低賃金を引き上げたら失業が増える?福祉から就労へ?
働かないお金持ち 寄付が貧困層に届かない 出身校
自由市場か政府か?はフィクション 自由主義のためのルールに対する政治的影響力 下から上への事前配分が起き、そのごく一部を政府が貧しい人に再配分 ←生まれてきた人すべての人々への分け前=ベーシックインカム
マイナスサムゲーム 不公平で勤勉が報われないと感じると不正行為や不信感が増す+購買力の不足 ←政治に対して積極的になり新たな拮抗力を打ち付ける
無力感は自己充足的な予言
企業改革・平均的労働者の賃金に対するCEOの報酬の比率を法人税率に連動させる
雇用を創出するのはCEOではなく顧客
労働者の取り分を増やせば購買力が高まる
・従業員持株制度、従業員が会社を所有
・環座役会の半数を労働者の代表者で構成(ドイツ)
・なぜ株主は従業員より重視されるのか 株主が企業を所有しているということはフィクションに過ぎず、短期間で売買するファンド
・労働者が自由に意見を述べることができるようになる
・芸術やボランティア、天職に意義を見出すことができるようになる
カッパ
たまたま浅草から上野まで歩いたらたくさんのカッパに会いました
ドライバーレス革命 DRIVER LESS 自動運転車の普及で世界はどう変わるか?
「ドライバーレス革命 DRIVER LESS 自動運転車の普及で世界はどう変わるか?」
(16)17日経BP社 ホッド・リプソン メルバ・カーマン
自動運転技術に関して簡潔でわかりやすい。
事故の大半は人為的な不注意なので、不注意が無いだけで、事故と被害者は大幅に減る。
少しでも自動化された時点で、人間は注意をしなくなる。自動ブレーキによりすぐに渋滞中は運転に注意を払わなくなるに違いない。
そして自動化と電気自動車との親和性から自動化の普及と同時に電気自動車に置き換わっていく。
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車の運転は移動ロボットよりも自動化しやすい
①歩いたり、登ったりするよりも転がる方が簡単
②決まりきった操作の繰り返しが多い 運転している時間の99%はありきたりのつまらない動作
そうでない瞬間1% この不測の事態「コーナーケース」
but問題があれば、むごたらしい悲劇的事件 実社会における混沌とした道路における行動や判断
①複雑なコミュニケーション ②様々な環境における同じ物体の認識=知覚がないことが原因
効果 環境、混雑 ←最適な制御
駐車場 95%の時間は駐車している 空いた土地をどう使うか!
通勤を楽にする LA81%、メルボルン76%、ヒューストン75%、ロンドン・NY18%、東京7%
事故が減る 人間は約30万kmごとになんらかの事故を起こしている 死亡事故は全体の0.3%
しかも大半は回避可能な人為的ミス 4D①飲酒drinking ②薬物drugged ③居眠りdrowsy ④ながらdistracted
←検証が容易 ロボットはソフトウェアをコピーできるので、他のロボットの知識を利用して学習を進められる
30万kmの倍の距離を無事故で運転する検証に1600km/日走るとして、 1台では400日かかるが、400台なら1日で可能
課題 ハッキング、シートベルトを締めない、ふざける
プライバシー 歩行者、乗客
倫理 違法ソフト
知覚
見る、反応する、考える能力 認知+視覚データの処理 ロボットはほとんど視覚情報処理ができなかった
視覚 ほかの感覚に比べ広範な世界を対象とし空間的時間的にも情報量が多い
ディープラーニング①育てる、学習する ②ルールに縛られない
エッジ検出 視覚認識技術
クオリア 個人が直接経験した感覚 ディープラーニングネットワークのクオリア
未来はどのようにやって来るのか 2段階 徐々に、それから突然に 「日はまた昇る」ヘミングウェイ
ゼロ原理 既存の産業を一変させる新興テクノロジーは、その導入により、何らかの生産コストが劇的に減少し、ほぼゼロに近くなる ←cfセグウェイ
①損害 交通事故関係の医療、賃金コスト 一方で、医療、保険等は収入源を失う
②ドライバーの仕事 ドライバーの給与 流通350万人 タクシー23.37万人/全米
③時間 運転に費やす時間
④サイズ 事故を起こす可能性が少ないため、車体を小型化、軽量化できる
導入を遅らせる通説
自動化バイアス 引き継ぎ問題
←人間と機械がハンドルを共有すると、人間は注意を払わなくなる
②技術進歩のスピードは一定である
段階的な移行は技術的に難しいばかりか安全性を損なう
③消費者の抵抗がある
←大半の運転は通勤や買い物で、ほかのことをしたいと思っている
④莫大なインフラ投資が必要になる
←道路ではなく車に知性を持たせている
1939万博GMフューチャラマ ダ・ビンチ問題
発明コンセプトに問題ないものの、必要なテクノロジーがまだ存在していないため実現できない状況
①コスト そもそも維持コストに問題
②車が自動走行できるようになれば不要
③ソフトウェアが更新されたら時代遅れになる→白線だけ
⑤倫理的な問題がある
←人間も直観的に計算している
⑥ほぼ100%安全でなければならない
←平均的な人間の安全性を身につけた時点で導入メリット
人間の2倍の段階で合法化されるべき
⑦突然起こる
←限定された区域内で利用され、少しずつ増えていく
マイクロソフトが開発したら?
①頻繁に停止する
②どきどきすべてのドアがロックされる
③ときどき再始動もできなくなる
④新モデルが発表されるたびに、新しい操作方法になる
⑤車線が塗りなおされるたびに、新たなOSの車を購入しなければならない
⑥ひとつのライセンスでは一人しか乗れない
⑦すべての警告灯が、単一の警告灯に代わる
⑧エアバッグが開くときに、本当に開きますか?と尋ねられる
制御 重要な性能 ①リアルタイムの反応速度 ②99.9%の信頼性 ③人間レベル以上の知覚能力
下位レベル ブレーキ、アクセル、ハンドルなど内部システムの操作
予測アルゴリズムのタイムラグ解消 ①計算能力の向上 ②電気エンジンの方が制御しやすい
中位レベル 視覚センサー シーン理解 物体認識 現実世界の複雑な状況に対処
①占有グリッド 車外環境を3次元でデジタルモデル化し、リアルタイムで更新していくソフトウェアツール
②占有グリッドに流れ込んでくる生データを認識、分類するソフトウェアプログラム
③予測AIソフトウェアを使い不確実性の円錐を生み出し、動く場所を予測
④交通ルールに従いながら、知覚した障害物を迂回するよう車を制御する短期進路決定ツール
上位レベル ナビゲーションやルート選定などより長期的な判断 A*アルゴリズム 1968ニルス・ニルソン コスト計算
ドライバーレス・カーの構造
・高解像度デジタルマップ 位置を特定 自動位置決め地図作成SLAM
→ディープラーニングによりシーン認識に頼るようになる+自動で高解像度マップを更新
・デジタルカメラ 画素グリッド 視覚的環境をとらえる 3次元知覚能力が劣る
・光探知測距レーザーライダーセンサー 点群 シーンを把握 物理的環境の3次元デジタルモデルを生み出す 色が無い、カメラより遅い
・電波探知測距レーダーセンサー 反射した物体の形や材質、移動速度を知る手がかり 見通しの悪い場所に効果 解像度が低い
・音波航行測距 超音波センサー(ソナー) 物体の位置速度を検知 解像度が高いが、減衰が速く、風の影響を受けるため近距離の物体しか検知できない →駐車時
・全地球測位システムGPS 24機のうち4機の衛星から信号を受信し、三角測量 荒天時、高層ビルの立ち並ぶ場所では信号の受信間隔がずれるため不正確(アーバンキャニオン効果)
・慣性計測装置IMU 加速度センサー、方位センサー、ジャイロ 推測航法GPSを補完 +バランスを保つ スリップ等の検知
・コントローラー・エリア・ネットワークCANバス 車がデータをやりとり 制御プロトコルの規格化が必要 通信速度、回線容量(処理速度+チャンネル数)、圧縮、セキュリティ
Ⅴ2X(V2V車対車 V2I車対道路)通信
・人工ニューラルネットワーク 高速コンピューター、大量のデータ、高性能デジタルカメラ、多層の人工ニューロン、高速グラフィックカードGPU(グラフィクス・プロセシング・ユニット)
パーセプトロン 1957 フランク・ローゼンプラット イサカ 電気抵抗を変える
人工ニューラルネットワーク ワーボス 小数値も扱う、誤差逆伝播 重み係数
ネオコグニトロン 福島邦彦 映像を簡略化し、特定の色や形を区別して認識
AI 記号的AI トップダウン ルールベース
チェッカープログラム ハッシュテーブル+ミニマックス法+確率 サミュエル
データ駆動型AI ボトムアップ 推論
カンブリア爆発 自動ロボット工学の多様化
処理能力、記憶能力、通信能力などの基盤ハードウェアテクノロジー
進化①電力貯蔵と電力効率の加速度的向上 充電に割く時間が減る
②演算能力の加速度的向上 コアの並列化 リアルタイムの判断
③センサーテクノロジーの加速度的向上 シーン理解、バックアップ
④データ記憶能力の加速度的向上 記憶検索の速度、信頼性、消費エネルギー、重さ
⑤通信能力の加速度的向上
ハードウェアエンジニアがどれだけ改良を施してもソフトウェアエンジニアがすぐにその能力を使い尽くしてしまう
ひとたび生まれた知性は、間違いなく視覚野を越えて広がっていき、
捕食者や被食者、交尾の相手を見つける段階から、
本格的なコミュニケーション、自己認識といった段階へと発展していく
視覚認識、音声認識、言語生成、芸術的創作活動
自己認識 自分をシミュレーションする能力 ある行為をすればどうなるか 演算能力2020 自己認識2050
感情 痛み 現実の損傷
恐れ 間もなく重大な損傷を受ける可能性が高い
心配 さほど重要でないマイナスの結果が起こりそうな少し先の未来
多細胞生物が生まれて5億年後視覚が生まれ、その5億年後ホモ・サピエンスが生まれた
≒1950年から視覚のない初期ロボットが知覚を得るまでに50年かかったのなら、
人間並に自己認識するAIに到達するには、さらに50年かかってもおかしくない
大都市圏郊外の新しい政治・行政地理学
‘17日本評論社 新井智一
地方の政治過程。
自治体の合併はそれぞれ興味深い政治過程があったのだろう。企業であれば、倒産すれば済むが、自治体はいくら足による投票があるとしても、そう簡単には移動できないわけだし、企業経営よりも重視されるべきものだと思う。政策実現やリスク評価のためにはいろいろな事例を参考にするのは重要なので、こういった事例の集積は貴重だと思う。
西東京市。田無市と保谷市の合併。当初、大きな工場の多かった田無市は、合併に消極的だったが、工場が海外に移転していき税収が落ち込み、バブル崩壊により田無駅前再開発ビルの借金が負担となり、合併に舵をきった。
あきるの市。秋留台開発のために都主導で合併したが、都が手を引いてしまった。
小金井市のごみ焼却場立地場所の選定過程。望まない施設の立地を拒むために、共感を得られる争点を持ってこられるかどうか。
人間はどこまで耐えられるのか
Life AT THE EXTREMES THE SCIENCE OF SURVIVAL
(00)’02河出書房新社 フランセス・アッシュクロフト
人間の身体が山に登ったり、海に潜ったり、暑いところ、寒いところ、など極限状態に近づくにつれてどんなふうになっていくのか。極限状態に生きる生物の適応の仕方。丁寧で面白い。
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高く
高山病 低酸素症 徐々に慣らせば8000mでも数日は耐えられる
高圧酸素室で気圧を上げると数分で意識を失う
高度1.92万mで肺は水蒸気で飽和 海面で6% エベレスト頂上で19%
大気中より肺胞内の方が酸素分圧が低い 肺胞内の水蒸気
正常な酸素濃度を維持できる最低気圧は100トル1.04万m
1.89万m以上で血液が沸騰
呼吸は酸素ではなく二酸化炭素によって調整される
息が止められないのは酸素を求めて、というよりも血液中の二酸化炭素が上がるから
酸素濃度が低いと呼吸のペースが速くなり、体内の二酸化炭素が排出されるため、息が止まる
二酸化炭素の生成に時間がかかるため、呼吸を楽にするために更に多くの酸素を吸わなければならない→睡眠を妨げる→体力消耗
高高度に到達すると、一週間で呼吸が通常の5~7倍になる
呼吸を抑制するために呼吸に代わり腎臓が血液の酸素を回復させるが、時間がかかり効果も小さい
酸素を運搬する赤血球が増えると、酸素の量も増えるが、血液の粘性が高くなり、心臓が血液を送り出しにくくなる そもそも酸素が増えるという効果はどうやらないようだ
高地の人は胸部が大きく、肺の容量の割合が大きい
湿度が低いので脱水症状になりやすく、呼吸が増えると肺から水分が気化して排出されるので更に悪化
太陽放射、氷や雪からの反射で日焼け
空気が薄く大気の断熱効果が低くなり多くの熱が放射され、高度100mごとに1℃低下
強風で体感温度が下がる
深く
水圧 10mごとに1気圧 気体の体積が減る 気体が体液に溶ける量が増える
上昇する際に、窒素が気泡となり、毛細血管をふさぐ
水につかるだけで血液が上がるので、海難救助で引き上げると、血液が下半身に流れ、低体温となった足の血液が心臓に戻り、心停止を引き起こす→水平に引き上げる
頭が水深1mを超えると、肺への水圧で物理的に呼吸できない
ホースで空気を送り込む ホースがつぶれなかったとしても、ホースに空気を送る以上の水圧から空気が逆流し、人が吸い込まれる
浮上すると、体内の空気が膨張し、血液に空気が侵入し、脳に血液が流れなくなるので、調整時間が必要
オウムガイの殻は推進750mの水圧まで耐えられる
魚の浮き袋は、深いところに行くと空気が圧縮されるので更に沈み、浅いところに行くと空気が膨張するので更に浮かぶため、浮き袋の空気の量を調整する必要がある →通常は限られた深さで生活する
呼吸を誘発するのは体内の二酸化炭素濃度なので、息を吐いてから潜れば、息を止められる時間が伸びるが、脳が正常に機能できる酸素濃度が下がると意識を失う
潜ると乳酸がたまり、それを分解するために酸素が必要となるので休息が必要になる
水に潜る動物は血管を収縮させてあまり関係のない器官への血液供給を減らし、酸素消費量を抑える
窒素酔い アルコール中毒と似ている
水深50m付近から生じ90mで意識を失う メカニズムは不明
純粋酸素は24時間を超えると肺に炎症 7気圧で5分が限界
二酸化炭素 呼吸を刺激 0.04%から6%に上昇しても1気圧なら影響ないが10気圧では中毒、意識を失う
水深30mより深いと窒素酔いを避けるため圧縮空気は使えず、窒素を別のガス(通常ヘリウム)に置き換え(ヘリオックス)酸素分圧が0.5バールを超えないように調整する
ヘリウムは不活性ガスで中毒を起こしにくく濃度も低いので、粘性も少なく呼吸しやすく、水に溶けにくく血液に溶ける量も少ないので減圧の時間が短くてすむが、熱伝導率が高く呼気を通じて体温が逃げていく
空気が軽いほど声帯が早く振動するので声が高くなる
水深200mで高圧性神経症候群HPNSになる
飽和潜水(サチュレーションダイビング)
周囲の水圧と同じ気圧に維持された居住用カプセルで時間をかけて減圧する
100mで4日、 300mで10日 退屈
水中では重さを感じない 上下もわからないが泡が手掛かり
回転する道具を使いにくい
海流でじっとしていることが困難
水の密度が高く作業がしにくい
光が屈折し目の焦点が合わないので、ゴーグルをつけて焦点を合わせるが、大きく見える
水は光を吸収し赤、黄が奪われ、15mで青緑、100mで青だけが残り600mで完全な暗闇
密度が高い液体では音の振動が早くなり聞き取りにくく、音波は早く伝わるので音の方向を判断しにくい
トリエステ号1960年1月23日 10920m 1100バール
暑さ
中枢温度は37℃前後に保たれているが、0.5℃の範囲で変動し、午後遅くに高くなり、夜明け直前が最も低い 42℃を超えると心臓発作を引き起こして死に至る恐れがある
表面温度は幅がある 寒いと20℃、激しい運動で41℃
体温の主要調節器は脳にある 肌には寒冷受容体
28℃が最も敏感 暑さを痛いと感じる受容体
精子はとくに高温に弱い
哺乳類は50℃以上になると数分で死ぬが、人間は空気が乾いていれば汗をかくことで高温に耐えられる
サウナ 127℃でも20分耐えられる
短時間ならもっと高温でも耐えられる
対外から取り込む熱を減らす 毛が断熱層の役割
体内で生成される熱を放出する 毛細血管が膨張する
放射60%→伝導20%→対流20%→汗の蒸発(外気が体温より高い場合の唯一の方法)
1mlの汗に2400cal 20倍の熱放出 300万個の汗腺
アドレナリンが発汗を促す 10~12l/日暑くなくても0.8l/日
湿度が75%を超えると汗が蒸発せず脱水症状を起こすだけ
背が高い人ほど表面積が増えて効率的に熱を放出できる
皮下脂肪が少なければ伝導によって熱を放出できるので脂肪をまとめて貯蔵 cfラクダ おしり
体を冷やす効果的な方法は、生ぬるい水に浸したスポンジで全身を拭うこと
冷水に入ると血管が収縮し血液の流れが届かなくなり、熱の放出が減る
首、わきの下、脚のつけ根など、太い血管が肌の表面近くを流れるところを冷やす
熱は敵と戦うために創造主から与えられた強力なエンジン 発熱で病原菌から体を守る
(一方で、感染症の前触れに過ぎない場合、体温を下げる必要があるとする説もある)
体内の水分が5~8%失われると疲労感やめまい、15~25%失われると命に係わる
食べ物を消化すると、排泄物が生成され、それを排出するために水分が必要となる
鳥は尿酸として排出するので水分がいらない
海水には腎臓でろ過して排出できる以上の塩分が含まれているため、海水を飲むと脱水症状を加速させる
海水を体にかけて気化熱で体を冷やす
汗で最大12g/日塩分が失われる 塩分が足りないと、疲労感や倦怠感を覚え、頭痛や吐き気がする
寒さ
高度100mごとに気温1℃下がる エベレスト頂上-40℃ 深海2℃前後を保つが、南極海面は塩分による凝固点降下のため-2℃まで下がることもある
空腹と低体温は相乗効果 南極徒歩到達のファインズとストラウドは最大11650kcal/日消費
エスキモーの基礎代謝はヨーロッパ人より33%高く、皮下脂肪が増える
外気25℃以下で寒さを感じる 無風で外気0~5℃でも中枢温度を維持できる
-0.5℃以下は氷点を下回る
-29℃で時速16㎞の弱風で体感温度-44℃、40㎞で-66℃ 気温が氷点下0℃前後でも凍傷の可能性
凍傷 血液が肌の表面を流れると体温が奪われるので、容積に対し表面積の広い組織(手足鼻耳)を凍らせ、その熱量で中枢温度を維持する
細胞を満たしている体液に氷の結晶ができ、凍っていない体液が濃くなり、浸透効果により細胞から水分が引き出され、細胞が収縮し細胞内の塩分濃度が高くなり、タンパク質が損傷して回復できなくなり、細胞が死ぬ
急激に凍結すると、細胞内で氷が針状の結晶となり、細胞膜に突き刺さる
この状態で急に温めると、細胞に隙間が生じ体液が漏れ、周囲の組織を膨張させ、毛細血管に残った赤血球が固まりとなって血液の流れを阻害し、末端の組織に酸素と栄養が届かず、組織が壊死する
-50℃で裸の肌は一分以内に凍る 目も 体は洋服で覆えても肺は冷気にさらされる
水は空気よりはるかに早く(25倍の伝導率)体の熱を奪う
20℃以下で熱がどんどん放出される 15℃で裸なら2~3時間が限界 5℃では30分もたない 氷点では15分で低体温症になり30~90分で死ぬ
南極海は-2℃以下でないと氷結しないので手を入れると凍傷になる
南極海に生息する魚は血液中に不凍液の役割をする物質がある
英仏海峡横断は9~27時間かかるが、運動による熱生成、たくさんの皮下脂肪、食事をとることで成功できる
寒いと毛細血管が収縮し、循環器系の容積が減って血圧が高くなる
寒いと腎臓が濃度の高い尿を生成する能力も弱まり、体液が大量に排出されて脱水症状を起こす
血液が多く循環するほど奪われる熱が多いので、流れる血液の量を減らさなければならないが、減らすと体表面の組織に運ばれる酸素と栄養分も減るので、血管は膨張と収縮を繰り返す
体が震えると体内で生成される熱量は5倍に増えるが、対流によって対外に放出される熱量も増える
本能的に増えるのはグリコーゲン量によって決まる
自発的に動かすのは体力、持久力、エネルギー量による
子どもは体の大きさに対して表面積が広いので、よけいに生成された熱が奪われる
赤ちゃんはミトコンドリのア褐色脂肪があり、寒くても体は震えず、ミトコンドリアで化学エネルギーを生成する 脱共役タンパク質が代謝とエネルギーの生成を切り離す 一部の動物は成体にもある
中枢温度が35℃を下回ると、中度の低体温症、32℃より下回ると蓄積されていたエネルギーを使い果たし、体の震えが止まり、急激に体温が下がり、30℃くらいで意識を失う 脈はほとんどなく、呼吸は1~2回/分 28℃で不整脈、20℃で心臓が止まっている
水泳後の飲酒 運動で炭水化物を使い果たしたうえで、アルコールの分解にはグルコースを使うので、血糖値が下がり低血糖症になる
→体の反応が弱まり、血管が収縮せずに血液が循環しつづけ熱が放出される
気温20℃、80分で体温33℃に冷えた
生き返った最低中枢温度13.7℃ 1時間後救出、5か月後回復 寒さのため代謝が抑制され、酸素をほとんど使わない
仮死状態 お湯に入れて暖かい空気を呼吸させる 極度に冷えているときに体温を上げると不整脈になりやすい
体温が下がると代謝率が下がり、血液の量が減っても生き延びることができる
心臓を4℃前後の冷たい溶液に浸して最長1時間動きを止める
マグロやサメ 対抗流血管系による熱の交換機能が発達し、体温を水温より高く保つ
鳥 渉禽類の足は細長く断熱効果に優れる
ペンギン ハチ 群れて体を寄せあう
爬虫類 皮膚の色素細胞で体外から得る熱を調節 筋肉を収縮させて熱を生成
中枢体温を37℃に維持できるだけの食べ物がないと、恒温動物であることを中断して冬眠し体温を2~5℃に保つ
鳥 渡りの季節の前に太らなければならないが、飛ぶためには体重制限がある
雪目 雪と氷の照り返し
ホワイトアウト 一面真っ白でクレバスに落ちたり、雪の塊に突っ込んだりする
速く
ATPの燃焼が筋肉の収縮の動力源 効率は高くなく、半分ほどしか使われず、残りは熱として分散される
ATPはクレアチン酸から供給されるが、なくなるとグリコーゲンとして筋肉に貯蔵されている炭水化物(1時間の運動に相当する量)か脂肪の代謝によって補う
それも使い果たすと肝臓や脂肪組織に貯蔵されているグルコース(ブドウ糖)と脂肪が動員される
脂肪の代謝には酸素が不可欠で時間がかかる →少しずつ力が落ちていく
炭水化物は有気性でも嫌気性でも分解できるが、嫌気性の方が速い
早く走る燃料としては炭水化物の方が優れているが、生成するATPの量が少ない
2、3分以上運動を続けるときは、有気性代謝の役割が重要
2分半で半分、4分で65%、マラソンではほぼすべて 心肺機能によって決まる
休息しているとき1/3l/分の酸素を消費 激しい運動ではその10倍
心臓は5.5l/分の血液を送り出す
全身5lなのでほぼすべてが1分間に1回心臓を通過する
アドレナリンの分泌を増やす 一回の拍動で送り出す血液の量を増やす
限界があるので拍動を増やす 運動していないと血液中の酸素の25%しか筋肉に吸収されないが、激しい運動をしているときは85%に達する
あまり活動していない器官から筋肉へと血液の流れが変わる
脳に供給される血液だけは運動に関係なく常に一定
運動すると過剰に呼吸するが、問題は肺が酸素を取り入れられないことではなく、心臓が酸素を組織に運ぶのが間に合わないこと but高度が高い場所では、呼吸が運動能力を制限する
運動すると、エンドルフィン(内生モルヒネ)が生成され、痛みを和らげ、リラックスと快感をもたらす
マラソン3400kcal、ツールドフランス5900kcal/日、カウチポテト族1500~2000kcal/日
炭水化物がグリコーゲンとして筋肉や肝臓に貯蔵される
再び貯蔵されるまでに最低24時間かかる
タンパク質が運動能力を向上させる科学的根拠はない
70%を炭水化物から摂取するのが理想的 激しいトレーニングをする人は80%
ゴールが見えるとアドレナリンがあふれ、最後のスパートができる
脂肪は同じ重量の炭水化物に比べて多くのエネルギーを含む
理論的には男性は9.5万kcalを脂肪に蓄えられ、1.5万㎞以上歩けるはず
炭水化物で貯蔵されるエネルギーでは30㎞ほど
筋繊維の種類は遺伝子 早い筋繊維は嫌気性代謝
白 遅い金背には有気性代謝 赤 ミオグロビン
短距離走で上昇する心拍数の75%は走る前から上がっている
長距離走ではあまり影響がない
嫌気性代謝は酸素がいらないので体内に蓄積されているATPとクレアチンリン酸ですべてのエネルギーがまかなえ、理論上15秒間持続できるので、100m以上同じ速さで走れる
→クレアチンリン酸を使い果たすと嫌気性代謝が始まり、乳酸がたまる
一気に加速するためには上半身の筋肉が重要 地面を蹴るために上半身がぶれやすく、前に走りにくくなるため、上半身を鍛え筋力によって垂直に姿勢を保つ
疲労は体を守るメカニズム ATPが細胞の命を脅かすレベルまで減少する前に筋肉の動きをやめさせる 筋肉の収縮を引き起こすカルシウムイオンが放出される
トレーニング 筋肉の協調を向上させる=筋繊維を同時に収縮させる
反復練習=心臓と骨格筋が変化し、より多くのエネルギーを生成できるようになる
心臓が大きくなると拍動で送り出せる血液量を増やせる
骨格筋の上限は断面積4~5kg/㎡ 二枚貝10~14
男性は女性よりヘモグロビンが10~14%多いので、より多くの酸素を運搬できる
水泳のキックは推進力よりも抵抗を減らすための流線型を描くためのバタ足
Assassin アサシン 暗殺者 ハシシを服用する人 恐怖心を和らげる
筋肉増強剤 成長ホルモン 体脂肪を減らす
血液ドーピング 赤血球が増えると血液の粘性も高くなるので、脳卒中や心臓発作のリスクが高くなる
スピードを決めるのは、歩幅と一歩の速さ 馬 2.5歩/秒 チーター 110㎞/時 3.5歩
筋肉の腱の骨にくっつく位置が重要
脚が長いことは一歩の動きが遅いことで相殺される
反動の利用 馬 靭帯が収縮 カンガルーのアキレス腱
筋肉は断面積の二乗、体重は体長の三乗増える
体重に対する筋肉の割合は体が小さいほど増える
衝撃を受けた箇所は冷やして血管を収縮させ、患部を圧迫して心臓より高く上げ、患部に流れる血液量を減らす
アルコールは血管を拡張する
宇宙
肺の空気がすべて噴き出て、血液や体液に溶けていたガスが気化し、細胞がばらばらになり、脳に酸素が運ばれず、寒さで凍りつき15秒と経たずに意識を失う
無重力では体液が体内を何度も循環し、赤血球の数が減少し、骨や筋肉が軽くなる
重力加速度 3Gで立っていられない 視界の端から色彩が失われ、4.5Gで視界はなくなる 8Gで腕や顔を上げることができない 12Gで意識を失う
戦闘機パイロットは7.5Gに16秒間耐える 背が高いほど心臓と脳の距離が長く不利
打ち上げ 当初は6G以上を90秒、現在は3.5G 戦闘機の緊急脱出は25Gが上限
-1G=逆立ち 最新式コースター-4G
バンジージャンプ 落ちる速さではなく、伸縮を繰り返すときの減速が問題 網膜剥離になる場合がある
スカイダイビングでは、急激に減速しないし、頭が上なので危険はない
宇宙空間は-270℃だが、太陽光線の通り道は熱くなるので人工衛星はゆっくり回転させる
無重力状態では体液が移動するが、2,3日で順応し、血液と体液の量を減らす 赤血球も減る
背が1,2cm伸びる
眠るとき体を固定するが、空気の流れを合わせないと自分の吐いた二酸化炭素で窒息する
咳とくしゃみが霧となり空中を漂うので、感染症が蔓延しやすい
ほこりも漂うのでくしゃみが多く30回/時
月面の塵が大敵 ファスナーが動かなくなる、スイッチが固まる、肺を覆う
筋肉の動きが協調しない、平衡感覚を失う、宇宙酔い
微重力状態では、重力の感覚器は反応しないが、角加速度の感覚器は機能しているので、脳が予想外の信号を受け取り宇宙酔いになりやすい
1か月に1%骨の質量が減る 10か月で30歳から75歳になる量に相当
筋肉が萎縮 特に足 心臓の筋肉も質量も減る
宇宙線 放射線 最低でも10~15g/cm2のアルミ壁で遮蔽 安全な放射線量は1ミリシーベルト
アポロ計画2週間未満で6グレイ 宇宙ステーション84日で77グレイ
コンコルド10マイクロシーベルト/時 →ロンドン-NT35マイクロシーベルト
通常の飛行機は高度が低いので宇宙線量が半分程度だが、時間がかかるので全体で浴びる量はほぼ同じ
ラパス標高3900mは年間2ミリシーベルト イギリス南西部コーンウォールの丘陵は7
宇宙服 パーソナル宇宙船 小型のロケットエンジン、空気と気圧と温度を一定に保つ 加圧
再突入 1650℃ 大きな振動 当初は6G 現在は1.2G 20分
起立性低血圧、起立性調整障害 体液の流れの変化 平衡感覚と筋肉の協調 地球酔い1,2週間
筋肉の委縮は数日で歩けるようになり、筋肉の質量は数週間で元に戻るが、骨が回復するには時間がかかる
宇宙空間で死んだ飛行士はいない 打ち上げ直後か再突入時に死んだ
生命
暑さ 多細胞生物は50℃を超えると生存率が急激に落ちる タンパク質がばらばらになる
単細胞真核生物も60℃以上に耐えられない
好熱性細菌は50℃、超好熱性細菌は80℃以上の環境を好み、硫化水素を酸化させ、水と硫黄を生成
熱ショックタンパク質 微量のDNAの断片から短時間で大量複製する酵素=犯罪捜査
酸 人間はph7.4 7.7 超7.0未満では生命を維持できない
好酸性微生物ph0.5 ピロリ菌は好酸性細菌ではないが尿素分解酵素を分泌してph2の胃の中にいる
好アルカリ性微生物 RNAはph9を超えると機能しなくなるので、水素イオンを取り入れて、細胞内の水素イオン濃度を中性に近いレベルに保つ
好アルカリ性微生物 洗剤 好酸性微生物 DNA複製、鉱石から金属回収
塩分 死海 海水の10倍 28%水溶する最大濃度 好塩性微生物 細胞内の塩分濃度が人間の200倍
地下 3.5㎞下 400気圧 60℃ 1㎞で11℃上昇 有機物質が極端に少なく岩石を食べている 8000万年前から閉じ込められている 数千年で倍に繁殖 バチルス・インフェルヌス(地獄から来た細菌)
無酸素 嫌気性微生物 メタン生成菌 反芻動物の消化管に共生
地球誕生時、空気には酸素は含まれていなかった シアノバクテリアの光合成 最初の酸素は海水中の鉄分を酸化させ沈殿させ、そのあと大気中に増え始めた
酸素は猛毒 電子をとらえ反応性の高い遊離基ラジカルになる
寒さ -80℃で代謝活動は止まり休眠 好冷性微生物は水中に生息 1~3℃
南極ボストーク湖は4000万年前から生物が閉じ込められている 好冷性微生物 石鹸、洗剤
凍結 天然の不凍液を合成→魚や昆虫の血液はグリセリンなどで過冷却 限界温度を少しでも下回ると一瞬で死
凍る→特別なタンパク質が氷の結晶核となり、大きくさせないように凍結する グリセリン
極限微生物 化学物質の毒性分解、汚染修復
昆虫のトレハロース カエルのグルコース
真空 細菌は耐えられる 2年半月面で生き延びた
生きのびることと成長することは違う 理解している範囲の生命は水がない場合仮死状態にならなければ生きられない→生命を探すことは水を探すこと