Θたけのこ たびの話とか

たびの話、科学の話、読んだ本の話 とか

「接続性」の地政学 グローバリズムの先にある世界 CONNECTOGRAPHY mapping the future of global civilization

パラグ・カンナ’77インド生、世界経済フォーラム「若き世界のリーダー」(‘16)’17原書房

 

中国、中東、アフリカなどの地域の展望が興味深い。市場とか資源とか宗教とかで焦点があたることが多い地域に新たな視点が得られる。

 

過去の著作

「「三つの帝国」の時代」2009 複数の超大国が不安定さと分裂の問題を抱える主要地域で影響拡大を競う 国は買われている 同盟関係をこれ以上強めないままに最大限の恩恵にあずかろう

ネクスト・ルネサンス」2011 政府、企業、市民団体その他の組織が権力を争いながらも共同関係を結び世界規模の課題に取り組む 新たな中世時代 自発的な接続性を通じて世界を自由化する

本書の着眼点

①接続性が分割に取って代わった 政治的な境界よりも機能的なインフラ

②権限移譲 地方や都市へ権限が分散され、一方、存続し続けるために共同体へ融合

地政学的な競争の性質が、領土をめぐる争いから接続性をめぐる争いへ

 異なる体制間の戦争が、単一のサプライチェーン体制内での戦争に移行

接続性

幹線道路6400万㎞ パイプライン200万㎞ 鉄道120万㎞ 海底ケーブル75万㎞ > 国境線25万㎞

サプライチェーンは地理という監獄からの脱出 何もないところに経済的発展の機会を生み出す場

 気候、土壌などで好条件に恵まれなかった土地にアイディア、テクノロジー、ビジネスの手法をもたらす存在

 地理に定められた運命を接続性によって新たにすることができる

誰が土地を所有しているか、よりも、誰がその土地を利用しているかの方が重要

物理学 複雑性+流れと摩擦

メトカーフの法則 結節点の数が増えるにつれ、ネットワーク自体の力が急激に大きくなる

流れ 資源、商品、資本、テクノロジー、人、データ、アイディアなど

摩擦 国境線、紛争、制裁、距離、規制など 運動が完成に打ち勝つ

 

新たな凡例 行政区画だけでなく権力をもつ集合体としての接続性も示す

Country 法律サプライチェーンに運営される 上の国家ではなく実際に権力をもつ集合体

City 自力で運営している 最も安定

Commonwealth 互いの能力を融合し、協調行動を計画

Community 国境を持たない 個人のアイデンティティと忠誠心 移民

Company 政府より強い力を持つ

10億人の貧困に苦しむ人々 社会から切り離されている場合には無視できるが、世界経済とつながると真剣に受け止められる

 

権限移譲                                                                                                                                  

政治は民主主義ではなく権限移譲に向かう  主権は内側から解体されている

民主主義は選挙を最優先 権限移譲は政治的な安定のための境界線を定める

理想の世界

①地理的に一体化していて(輸送負担を回避)

②500万人から2000万人程度の人口を抱え(域内市場規模を確保)、

③他の都市や近隣国との堅固なつながりを確保している機能的かつ人口の多い都市をいくつも擁し、

さまざまな天然資源を入手でき、財産権を保護して法の原則を遵守するための責任を果たす効率的な統治を行える

シンガポール、スイス、イスラエル、UAE

エストニアスロヴェニアウルグアイ 人口は少ないが

レバノンボスニア これ以上分割するには狭い

 

集約

権限移譲はアイデンティティ、都市化、財政の透明性等を原動力とするが、

逆の集約もインフラの接続性、経済的統合、労働移住、政治的和解を動因として進展している

暴力的な分離から機能的な共同体への統合という流れ

インドの平和

東南アジアの平和 大メコン圏 アメリカの面積の1/3 GDP一兆ドル

アフリカの平和 中国がつながりをつくり共同して所有するひとつのシステムへと融合させ、魅力ある地域へと変化

アラビアの平和 GCC ヨーロッパ、アジア、アフリカの結節点として重要な地位を占める可能性はある

アメリカ コモンズの悲劇、中国からの移民

グリーンランドは気候変動によって生まれる初の国家 アメリカ連合に加わる

接続性の優位性

 オーウェル 1984 先見の明? オセアニアイースタシア、ユーラシア 協力と競争

 ベケット ゴドーを待ちながら 第三次世界大戦は来ない

水平(資源の重商主義 量)+垂直(革新の重商主義 価値)=右肩上がり

もっともつながっているものが勝つ

クラゼヴィッツ 戦争とは他の手段による政治の継続

 サプライチェーンの分断を通じて兵器化できるが、相手国で活動している自国の企業に打撃を与え、犠牲が大きい

マチュアは戦略を語り、プロフェッショナルは兵站を語る

戦略地政学的駆け引きは、イデオロギーではなく資源やインフラの優先的利用の約束

「安全保障」だけでなく「接続性」「インフラ」も同等に最も重要な世界の公共財になった

制裁措置(イデオロギー 道徳)よりも接続性(費用便益計算 現実)の方が、和解、譲歩、共存が生まれやすい

 中国 モンゴル、シベリアカザフスタンアフガニスタン、イラン、アフリカ、

ピレウスギリシアスエズを抜けてすぐにヨーロッパで陸揚げ、

羅先(北朝鮮北極海航路 レアメタル・水力・市民は勤勉

←ブローバック 指示していた国が急に敵対的になること が始まっている

サプライチェーンが軍事的な様相を帯びるのは避けられない →実際の争い

エネルギーとテクノロジーの融合で自給自足を達成したら、グローバリゼーションはより縦断的なものになる(風力発電、シェール革命、海洋資源等)

借りることはできても買うことはできない                      

鉄道の建設や英語の普及だけで帝国が維持できるのなら、イギリスによるインド支配はまだ続いている

飛び地の帝国

中国は香港、マカオなど租借地としてヨーロッパに支配され、運営方法を学ぶことができた→トリニダード・ドバゴ

アメリカだけがシーレーンを分断する力を持っている現状で、中国も武装艦を派遣するのか?

中国の南シナ海における軍事行動は、マラッカ海峡への依存を減らすため

クラ運河はシンガポールマラッカ海峡を物流から切り離してしまう

 タイ南部のイスラムの独立と関連 チリ・バルパライソパナマ運河開通により衰退

陸路での中国からパキスタンへのパイプラインもマラッカ海峡への依存を減らす パキスタン、イランとオマーンは昔から特別な関係

ニカラグア運河                 

北極海 極東とヨーロッパをスエズ運河より2週間短縮 東アジアと北米東海岸パナマ運河より1万㎞短縮、資源

北極圏 地球温暖化に伴い人口増加 赤道付近の国からの集団移住、国際管理された農業関連産業?

海運業と保険業がグローバリゼーションの基盤を築いた 国家より物流を重視する無国籍企業

 

国家から結節点へ

ドバイ 世界のホーム 国籍が意味を持たない 世界中のあらゆる場所との円滑なつながりを誇る都市

 永続的な一時滞在という矛盾した外国人 UAE人が名目上の存在、保護されるべき珍種のような存在

 グローバルな住民と経済力が極端なかたちで混じり合う実験室

サウジアラビア キング・アブトゥラー経済都市KAEC 民間建設による200万人以上の完全一体型都市

バブ・エル・マンデブ海峡に54㎞の橋建設計画

ラゴス アフリカのグローバル都市 多民族国家、12の周辺諸国の中心

 

ポップアップ都市 資本主義勢力が効率的に管理する特別な経済区SEZ 中国、インド、モーリシャス

エンクレーヴ(自国領内の飛び地)ではなくエクスクレーヴ(他国内にある自国の飛び地)

サプライチェーンへのアクセスが重要                                       

国自体が差別待遇のない投資対象国 なんでもそろう効率的で特別な国になるように努力 スロヴェニア,香港,シンガポール

都市化の進行は、人々が都市に集まっていることは意味しても、都市の側にその準備ができていることを意味しない

サプライチェーンの建設を優先することで、結局はよりよい政治体制を築ける

サプライチェーン 底辺への競争を加速させる存在 → 頂点に上り詰める手段

より好ましいサプライチェーンを届けることが、悪質なサプライチェーンに搾取されることを防ぐ唯一の方法

需要と供給が支配する世界では、競争力の強化と汚職の抑制を同時に実現できるかもしれない 資源、海賊、動物保護

グローバルな流動性を活用して金融サプライチェーンをさらに拡大し、企業やインフラ等の価値創造資産と資本を結びつける必要

巨大都市は、人が絶え間なく移動する新陳代謝の激しい環境

 ソフトよりハードが優先されるべきだなどとは一瞬たりとも考えてはならない

 中国はインフラを整備して複数のクラスターにつくりかえ富裕層はゲーテッド・コミュニティに住む

カラカス、カラチ、マニラ、ジャカルタラゴス、カイロ

 巨大な引力で拡大し、無法地帯化し、基本的公共サービスの提供がさらに困難になる

グローバル社会へ向けて

サイバー文明 ウォルマートの開店は阻止できてもアマゾンの脅威にはなすすべがない

インターネット空間は、参加者が決めた以外のルールでは存在しない バルカン化 ボーダレスなパラレル空間ではない

 国家システムのなかで形成されたサプライチェーンがボーダレス化しているのに対し、誕生時にボーダレスだったインターネットは国家という罠に絡め取られている

IoT インターネット Of Threats

物理的な場所とバーチャルな場所の比重が変化 政府によるメディア、主張、アイデンティティの独占は消滅

接続性を構築した個人は、現実にいる場所とは別の場所に属したり、複数の場所に忠誠心を持ったりすることができる

つながりを持つ数十億人が直接取引を行うための市場 垂直な依存関係から水平な相互依存関係へ

 シェリング・エコノミーと呼ぶよりも、自己制御力を持つピアツーピア資本主義が完全に開花した姿

 ロボットやアルゴリズムが労働の自動化を促進するほど経済的な安定を得るために相互依存を強める

 

希釈化 都市化と移民 グローバル都市は新しい複数の民族混合的なグローバル文明を培養 文化的遠心力

中国はむしろ漢族の拡散により少数民族を希釈化 本国では均一化し、国境の外では混じり合っている

国家を超越して自らを世界市民と呼ぶ専門家が世界中を活発に移動し地球レベルの課題に全力で取り組む

需給関係が支配する世界では、取引はさらに増え、愛国心は移動するのではなく、分割し、増加する

 

自然の複雑さに敬意を払う

川は分離するよりも、むしろつなげる存在

水の脱塩、輸送、リサイクルは、重要な意味

先住民の発するメッセージは歴史の流れに沿ったもの 都市への食糧、水その他資源の過剰供給は自らの首を絞める

より持続可能な方法で都市化が進行すれば、自然に還すプロセスを開始することも可能

デジタル労働に従事しつつ、自然のそばで生活するという選択肢 急激な都市化と田園生活への志向のバランス

 

接続性から柔軟性へ

われわれがよりボーダレスな世界を必要としているのは、

破壊的な領土紛争にこれ以上耐えられないから、

人間と資源の配置を最適化すれば人的、経済的なポテンシャルが大きく増大するから、

国民に十分な福祉政策を提供できる国が非常に少ないから、

そして数十億人がいまだにグローバリゼーションの恩恵に浴していないから。

危機や不確実性という問題に対する解決策を提供するのは国境ではなく、より多くのつながり

ボーダレスな世界から利益を享受したければ、まずそれを構築する必要がある。

人間はどこまで動物か 新しい人間像のために


 

Lehre vom menschen  biologische fragmente zu einer (’51)岩波新書

 アドルフ・ポルトマン

発生概念 生物学(因果不明)と歴史学(因果関係)

 就巣性 巣に坐ってるもの 鳥 上等 哺乳類 下等

 離巣性 巣立つもの      下等     上等

 感覚器   1年目 直立歩行・ことば習得・技術的思考

人間の赤ん坊はサルより大きく産まるが、早産

動物が生まれたときに実現している発育状態に1年でたどりつく

 歴史的 =決断の自由を持つ⇔動物は、環境によって拘束、本能によって保証される

立つことが人間特有 立ったうえで歩くのは四つ脚動物に特有な単純な機能

人間は永久歯が生えるときまで脳が発育する 人間は類人猿の2倍の寿命

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類文化史

HOW WE GOT TO NOW Six Innovations That Made The Modern World

 

ロングズームの歴史 異なるレベルすべてを公平に評価できる解釈のアプローチ

隣接可能領域の新しい扉 隠れているものに対する直観的知覚

専門知識の異形交配=愛好家の強み

 

 

ガラス 宝飾 540℃以上で溶かさないと使えない→先端技術 ヴェネチア

 印刷→眼鏡、顕微鏡 マウナケア→タイムマシン

テレビ、断熱材、コンピュータ、航空機、インターネット、グラスファイバー

 

冷たさ ボストンの氷をカリブ海へ 氷+おがくず+空の船(南からサトウキビ、綿)

アンモニアで人工冷却 南北戦争→瞬間冷凍         フレデリック・チューダー 1834~

 エアコン→人口移動 受精卵・精子

 

音 古代洞窟の歌 反響音の最も強い場所に絵

 再生 真空管 ラジオ→ヒットラー、アンプ→ジミヘン

 命を救う ソナー(タイタニック)エコー(妊婦)

 

清潔 シカゴを持ち上げる エリス・チェスブロウ1856 塩素革命 クリーンルーム、下水道

入浴が不健康とされていた

疫学 顕微鏡+測定法

 

時間 ふり子 ガリレオ

工業都市 出来高払い→時間給 電信・電話・鉄道

 原子時計 太陽は不正確

 1万年刻む時計 ヒッコリーマクの森 ネバダノーフォーク山地

 

光 ミツロウのロウソク 獣脂 鯨油(脳油)1712 電球 エジソン

 フラッシュ撮影→ピラミッドの写真 スラムの写真

 ネオン看板

 レーザー光→殺人

バーコード NIF 核融合、人工太陽

理化学研究所 和光地区 一般公開

理化学研究所 和光地区 一般公開 2017/4/22

 

ブラックホール重力波

ブラックホールの大きさは所属する銀河の大きさに比例する。ブラックホールが吸い込み切れなかったものが噴出されていて、それが銀河形成の源となっているかも。

薄い膜に鉄球を置くと沈む。他に鉄球をその周りを回すと、つられて動き出すことで、惑星などの動きを再現できる。

天書の証明 という本が面白い。

 

・冷却原子でみるボース・アインシュタイン凝縮の世界

磁石を水に浮かべると、規則的に並ぶ。

 

・植物からプラスチックをつくろう!

植物からとれる油や糖を美生物に食べさせると、プラスチックができる。土に触れると微生物が食べてくれて、分解されてしまうらしい。もらったクリアファイルで実験!?

 

・ふしぎなふしぎな宇宙の世界

宇宙ステーションの説明。宇宙ステー所はサッカーコート一面分の広さだけど、太陽光パネルが大半で、人のいる範囲は飛行機2機分。90分で地球を一周する。地表300kmの場所にあるが、地球の引力で落下し続けていて、ある程度の高さにまで落ちてくると噴射して高度を上げる。燃料が途絶えたら落下してしまう。3D映像でスペースシャトルを見る。

 

・スーパーコンピュータと計算科学を知ろう!

整理券。

スマートフォンは82年のコンピュータと同じ性能。当時2t、10畳くらいの大きさ。

スーパーコンピュータはだいたい10MWで淡路島と同じくらいの電力消費。グーグルが100MWといわれている。新幹線が定格で17MW、平均で8MW。人間の脳は20W、400kcal。アルファ碁が25MWなので、人間はとても省エネ。

スーパーコンピュータの使用例として風洞シミュレーションを3D映像で見る。

稼働中のHOKUSAI、Shoubu。

 

・子どもの言語発達ってどうやって調べるの?

赤外線センサーで黒目の場所を検知して目が見ている場所を特定する。風船などを映写し、それを見つめると割れる仕組みで、デモンストレーション。会話が困難な者に、文字盤から入力させることに使われたりしている。まばたきくらいでは、視線は外れない。近赤外線なので、目への影響がない。ちなみに眼圧センサーとは違う。

 

・独楽を回して自分の色をみつけよう!

白黒の模様の独楽を回すと、色が現れる。その色の見え方は、人によって違うし、中心からの場所によっても違う色に見える。

次々と錯視の例が見つけ荒れている。錯視の状況を踏まえたシステムなど。

 

・匂いを感じる脳のしくみ

匂いの成分ごとに感覚器があり、匂いの成分ごとに脳への伝達経路が異なる。匂いの成分は、食べ物だったり、生殖だったり、など。ゼブラフィッシュで実験。体が透明なので、色を付けると外から観察できるようになる。

 

たんぱく質の凝集化と神経変性疾患

動物細胞は酵母細胞と構造が似ているので、酵母細胞で実験している。

 

・手作り分光器

 

ニホニウムの発見

ニホニウムの説明。元素番号113.現在119番以降の元素を探っている。新たなグループになり、安定した元素だと考えられていているが、どんな性質なのかわからない。

とても人気で、低学年の子もこどもの科学などで得た知識を披露していた。

 

・チャレンジ!だるまおとし!

ふだんできる機会はないので、面白い。力が弱くてもうまく落とせているので、どうやら素早くするだけではないみたい。2回チャレンジして、やりたければまた並ぶ。

 

・モノの中身をのぞいてみよう

モノをスライスして撮影し、内部まで含めた画像処理。マウスも実際にスライスして撮影されたそうでしまうす。

未来のデジタル図鑑として、カブトムシの中をのぞける図鑑。

グーグルストリートビューみたいな映像を撮影する機械。毎秒何十万か所も距離を測り、立体画像を取得する。cm単位で測れるので、道路やトンネル壁面の凸凹も図ることができ、劣化状態が検知できるようにしていく。ちなみに赤外線なので、水を通り越してしまうので池などの情報は取得できないが、水でできている人間には無害。

 

・電気でお絵かきしてみよう!電気分解と未来のエネルギー

ジュースを浸した紙に電極を当てると色が変わるので、それで絵が描ける。

深海の熱水噴出孔付近の生物のエネルギー源を探している。熱水噴出孔の中の高温部分と外側の岩石が電池の構造になり、電気を発生させていて、それをエネルギー源として生態系が成り立っているようだ。ちなみにマリンスノーは途中でなくなってしまうので生態系を維持する程度には堆積しない。

 

・ものづくりを変えた超先端加工技術

~LED基盤から宇宙開発まで

とても固く電気を通す人工サファイアスマホの画面にも使われている。ちなみに不純物があると色が着き、宝石としては色があった方が価値がある。

 

・金ミラーを作ろう

金をガラスに蒸着させる。すでに整理券が発見終了。

 

 

 

進化の謎を数学で解くArrival of the fittest:Solving evolution’s greatest puzzle

(14)’15文藝春秋 アンドレアス・ワグナー エール大 チューリッヒ大進化生物学環境研究所教授

生命が最適者を発見するのに奇跡は必要ない

自然淘汰の謎を実験とコンピューターの力で解く

エネルギーと生命の構成要素を生産する化学反応(触媒)を試す 工場と部品→進化

生命の始まりは複製より代謝が先 生命は遺伝子に先だって存在

クエン酸回路は熱水噴出孔200気圧で自然発生的につくりだされた可能性が高い

超好熱メタン菌130℃で繁殖できなくなるが生き延びる

  全ての海水が10万年に1回は熱水噴出孔を通過する→これまでに1万回以上通過していることになる

 クエン酸回路は化学反応の自己触媒ネットワーク 代謝活動の始祖の可能性

 RNA(ヌクレオチド)からタンパク質(アミノ酸)に引き継ぐ

代謝の原理①代謝は同じ燃料分子で生存可能

     ②代謝は互いに異なっており少数の反応しか共有していない

     ③生存可能な代謝は、巨大な遺伝子型ネットワークでつながる

マキーソン隕石1969有機分子を含む 

 ①生命の分子が自然発生的に生じる

 ②適切な環境は宇宙の特殊な場所である必要はない

 ③イノベーション

生命は最初の生物となるより以前でさえイノベーションを必要とした 自己触媒的代謝と自己複製因子 ①化学反応の新しい組み合わせ(代謝) 

②他の分子の反応を助けることができる分子(タンパク質) 代謝経路

③複雑な生物を協調させる新しい調節 をつくりだす 遺伝子作用の調整

DNA1000字 46本の染色体 30億文字

大腸菌DNAでさえ450万文字 1/4が違っていることもある

グルコースクエン酸エタノールなどを代謝で取り込めるか否かの組み合わせは25000

20種類のアミノ酸でできるタンパク質も膨大な組み合わせ 100個のアミノ酸で10130

遺伝回路も膨大な組み合わせ

  数が増えるほど距離が近くなる 最適なものを探索する範囲が少なくて済む

 80種類の科学燃料で20% 60種類で30%

  エネルギー貯蔵の規格 ATP

複雑で膨大な解決策が多少の変化で動じない頑強さにつながり、環境変化に対応する新種の候補を用意できる

 生きていくための方策がつねに複数存在する 電子回路も同様

 遺伝子型に突然変異が生じても表現型は影響を受けない

新種を生む原理は技術革新、銀河の形成にもあてはまる 

人工超知能が人類を超える 台場時生

人工超知能が人類を超える シンギュラリティ その先にある未来

The future beyond the singularity The artificial superintelligence will surpass mankind

‘16日本実業出版社 台場時生

 

シンギュラリティのキーワードで読みました。特異点に到達に備えよう、というような内容は多いのですが、特異点に到達したら、人類は進化のバトンを機械に手渡して、幸せは無くなる、それは不幸なのではなく、無の境地、解脱の境地に入るのかもしれない、という見解はとても興味深い。そういう点では、未婚者が増えたり、子供を産まなくなったり、してきているのは人類としては進化して機械に手渡す準備をしているのかもしれない。

 

人が人生という道に迷った時に進むべき方向を指し示してくれる「導きの星アドラー

=理想とする人類の未来像

 

ロボット カレル・チャペック 戯曲「RURロッサム・ユニバーサル・ロボット会社」1920

 家事手伝い用人型ロボットが自意識をもち、人類を滅ぼしてしまう

 登場時から人間に敵対する構図→ターミネーターマトリックス、HAL

 日本は鉄腕アトムドラえもん 人間の味方

 

特異点は生物進化のゴール コンピュータが人間に頼らずに自らの力で勝手に進化していく

機械に進化のバトンを手渡す

 

人工知能と人間との共存 特異点後の人間の姿

①生身の身体・脳をそのまま維持 遺伝子操作等による身体面の強化等はある

②サイボーグ

③機械化

意識はニューラルネットワークの虜

物質的なニューラルネットワーク

非物質的なクオリアを伴う意識

脳の容量や構造の精密さが増し知能が高度化すると、実現できる感情のレベルも上がるとすれば、人工知能の方が人間よりも深く優れた感情をもつ、と言えるし、人間には備わっていないまったく新しい高度な感情をもつようになるかもしれない

 

科学技術的進化

農業革命 動物からのテイクオフ 物質

産業革命 機械による生産と輸送 エネルギー 肉体労働の外部化

情報革命 電子による通信と知識処理 情報 頭脳労働の外部化

  ↓

ロボット革命 人間すべての外部化 人力フリー社会

生物革命 命の特異点 個の保存

 遺伝子の意図的改変、再生医療・ナノテク医療等による不老不死の実現

  ヘイフレック限界 細胞分裂は50~60回

宇宙進出 種の保存

生物的進化は受動的で限られた適応力しかもたない

科学技術的進化は能動的、万能的で強力な効果を発揮する

→生物の目的である個と種の保存は達成され、生物としてのゴールに到達

無限の知識、無限の知性、無限の美、無限の創造性、無限の愛

 全知全能 神の概念に向かって突き進んでいく

 アメリカ発明家未来学者レイ・カーツワイル「ポスト・ヒューマン誕生」

非生物的進化 全知全能に向かって突き進む

生きるために制約を解除する→制約を解除するために生きる

世界のすべてを知るための科学

世界のすべての制約を解除し、完全なる自由を手に入れるための技術

 

 

幸福は絶対尺度では測れない、相対的な尺度で測られる

幸福度の大きさ=現状-幸福のゼロ点

絶対的な幸せは存在しない 味わっては消える幸福の特性こそが、幸福の尊さ

愛、成長、快楽、幸福は生きるための手段

手段が目的に転化するのが人間が持つ特別な性質 途中段階の価値がつり上げられる

自分の生きる目的として何を選ぶかは各人の自由、生き方多様性の保護

 

不幸を一つ消す=幸福を一つ消す 不幸の内世界=幸せのない世界

望みがすべてかない状態価値をこれ以上上昇させられなければ幸福度は低下していく

→人類の未来に幸せがない 人類としての無の境地 欲望や感情が消滅した状態

 

宇宙の歴史138億年を一年に例えると、80年は0.18秒

金額だと豪邸14邸に対しアイス1個分

すべては浮世のこと つい最近までこの世はなかったんだから、あまり気にすることはない

プークが丘の妖精パック PUCK OF POOK’S HILL キプリング

べペンシー平野に住むダンとユーナの兄妹がシェークスピア、夏の夜の夢を演じていると妖精パックを呼び出してしまい、イギリスの歴史上のいろいろな人物に会わせてもらう。イギリスの建国の過程、マグナカルタ成立が語られる。イギリス人の精神の底流みたいなものが感じ取れるような気がする。

 

パック オークとトネリコとサンザシの木にかけて

 茶色い毛で覆われた肩幅が広く、耳はとんがり、鼻はしし鼻、青い目はキッとつりあがり、そばかすだらけの顔

 

ウィーランドが剣を与え、その剣が宝をもたらし、宝が法律を生んだ。オークが伸びるように自然なこと。

剣 黄金はささげられる ある目的のために ルーン文字による予言

 

黄色い砂に縛られるくらいなら、今すぐ溺れ死んだ方がましだ

黄金は人をすかり変えてしまう 金がなければ戦争はできない

王が法律を守れば国は平和になる 金を貸せば戦争になる

 

マグナカルタ第40章 何びとに対しても権利と正義を売ったり、拒んだり、否定してはならない 金貨200枚で、すべての自由人に→何びとに に変えさせる

 

運命は最初にできた真の友人によって決まる

若い時に立派な人間になろうと努力すれば、大人になったときに立派な友人ができる


 

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