VISUAL INTELLIGENCE 観察力を磨く 名画解説
知覚の技法 情報収取能力、思考力、判断力、伝達力、質問力
核となる情報を見いだし、優先順位をつけて、結論を導き、誰かに伝える
観察:注意力+記憶力 訓練すれば知覚を変えられ、記憶力は向上する
知覚フィルターを知る
1見たいものを見る
(認知バイアス、確証バイアス、マイサイドバイアス、希望的観測、視野狭窄など)
2見ろと言われたものを見る
まず自分の目で見て、既存の情報や意見を参考にし、もう一度自分の目で見る
3変化盲 変化に気づけない
誰に、何を、いつ、どこで 客観的かつ詳細な観察
COBRA Camouflaged One Break Realign Ask
紛れているもの ひとつ 休憩 見直し 意見を聞く
細部を見る際は、紛れているものを探し、ひとつの仕事に専念し、
疲れたら休憩をとって、気体を見直し、他者の意見を聞く
見えるのに見えないもの
事実を集め、主観的な意見と客観的な情報を区別し。
細部はもちろん全体も見て、周囲に紛れた情報も見逃さない
分析: 視点を変える 別の可能性 五感を使う 他者の視点
何を知っているか 理解できないこと
何を知らないか 陰性所見
何を知らなければならないか × 緊急度と重要度
伝達: 相手にとって意味のある情報を、相手が受け取りやすい表現にして提供する
一語一語選んで簡潔に伝える
思ったことではなく、見たことを口にする 見たままを信じる
確実にメッセージを伝えるために
リピート 聞いてる?ではなく意見を聞いてみる
リネーム 別の名前をつけてみる
リフレイム 伝え方
感情をコントロールする
相手が感情的なときは、冷静さを保ち、客観的に収集し、自分に問いかける
応用: バイアスを利用
3結論を第三者に聞いてもらう
主観的な問題にも客観的に答える
全体をとらえつつも、細部をおろそかにしない
複雑さを恐れない 結論を急がない
疑問を持つ心を忘れない
客観的事実だけを扱う
歴史の読み解き方 磯田道史
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濃尾平野
兵農分離をすすめやすかった
関西は兵農分離は進んだがヨコ社会で中央集権に向かない
火縄銃段階では密集隊形の重兵が有利
→藩→日本の官僚制度 前例 意思決定が不明確 組織に不利な情報は上がらない
ライフル段階では自由に動く散兵が有利
→長州藩(幕末) 長州藩主は現場情報にダイレクトに接触し、スピード感があった
忍者
全国人口3500万人 (江戸初期1500万人)武士35万人家族いれて150万人
忍者の仕事 1御内用(偵察) 2火の回り 3不寝番(参勤交代) 4火災時の宗門帳の持ち出し →過労死が多かった
情報の交換 見つめ聞きつめの大事 小さな兆候に気づけ
平時から情報網 芸を身につけそれを通じて広く他国の者と交際し自分の名前を天下に知られるようにしておく
四知の伝 望(風体衣装行動を眺める)
聞(聞き取り調査)
問(直接質問)
切(心根を知る)
治安
人を殺せばお上の御仕置をうけるという観念が通念になるのは容易なことではないが、それを江戸時代に作り上げた
銃を持っていることと、銃を動物でなくて人に向けて撃つ、ということは違う
カナダ・フランスも銃所持率は3割あるがアメリカほど殺人は多くない
秀吉の刀狩は武装解除というより身分統制
→ 登録制の厳重な武器管理+生類憐みの令 生命保護 実際はGHQが刀狩
自警力+公権力の審理 but煩雑なうえ両成敗及び過酷な刑の可能性が多く、内済 示談が多かった
公の裁判は不名誉(お手数をかける)
五人組 お互いに眼をみはっている 犯罪抑止
長州 幕府追討はいかがでございますか
江戸時代の税収は農業部門がほとんど お米が地代 税収は増えにくい
→有事に資金が無い 営業税(工業的商業的なもの)が少ないので商業が発達
武士の力が相対的に弱まる 米は4割、林業1.5%
長州藩は非農業部門も抑えた 農業80万石、非農業72.5万石
長州は識字率が高く、教育水準が高く、庶民が行動できた
長州は御前会議に殿様が出席=意思決定 →西洋式兵制に移行
武士が馬から降りて銃を担ぐ、兵学寮 兵士は政事と別に養成 無謀な戦いに挑む
薩摩
武士の借金の金利は15~20%で債務残高は年収の2倍
薩摩藩 兵農分離せず俸禄知行が売買できた 金勘定、土地開発が上手な武士は知行高が増えていく
身分や礼儀にうるさくない
郷中教育 学びの場は自分で獲得する 識字率は低いが本能的判断力は養った
文字化すると抽象化される 具体的で実効性あることを重視
文字より議論 口述的談話
詮議 実際にはない状況を仮想させて対処を考えさせるシミュレーション(反実仮想) 事前に徹底して考える
忠君教育 会津 佐賀
会津藩 農民から殿様まで六科(人間像)六行(行動)八則(掟)を定め、選挙、子吟
butならぬものはならぬ 思考停止→白虎隊の集団自決 大義名分
佐賀藩 年齢相応の学業を成就できなかった藩士は俸給8割カット
but教育が四書五経を基にする朱子学のため実務に優れる人は大量につくれるが面白い人間は育たない
日本人はパニックにはならないけど、備えない、最悪の事態について考えることをやめてしまう、起きて困ることを直視せずとりあえず目先のことをやる 地震、原発
自分で判断せず、付和雷同する
「仕方がないや」と放っておくのか「人命が失われるんだから、やれる対策はやろう」となるのか、生き方の分かれ目 人間の良心=無私
桶の水がこぼれるかどうか 天水桶が地震計 噴火、地震の記録が多く残されている
司馬文学
リアルな史料に基づいて自分で判断する癖が国民につきはじめると、社会にとって大きな文化遺産となるに違いない
司馬遼太郎は、形式と情緒に流されがちな日本人に警告を発し、合理性の大切さを訴えているはずですが、現実の読者は、非合理的な情緒への陶酔に甘んじている 史料の表面をなぞるだけでなく、武器への観念、女性への清浄感、穢れ感など深い哲学的問題にまで踏込んだことが支持された
司馬氏は学問の非常な高度なものを一般の人にも分かりやすく、日本が何であったのかを伝えられる 網野善彦氏など 司馬文学を乗り越えるには、二次史料だけではなく、一次資料の学術研究による新しい事実の発見が必要
感情の政治学 吉田徹
政治は、正しいことを言ったり、政策として採用したりすれば、そのまま正しい結果が生まれるとは限らない。これは正しい、正しくなく、ということ自体が、政治的行為にほかならず、新たな賛成反対の声を巻き起こす自己言及的性格を持つ。
個人が自らの選好があらかじめ規定されていて、そのうえで合理的な政治的判断を下すわけではなく、私的な感情、象徴、政治的指導者との関係や相互作用といった情念によって考えや行動が形作られている。
共同体にコミットする活動は、「利益-コスト」モデルに還元されるものでも、賞賛の対象として崇められるべきものでもなく、情的な結合を基礎とする関係性からくる非合理を前提にしなければ担保できない。
アマルティアン=セン 潜在能力アプローチ 人びとの利益とは社会的なものから切り離されるべきではない。人びとにとって何が必要であるかは、個人の選好から測られるべきものではなく、社会のなかに生きる個人にとって何が欠損しているのかという観点から測られるべきものだ。自分と他人が何を得られるかではなく、自分と他人が何を必要としているのか、をスタート地点にして社会を構築していこう。
政治における道徳とは、個人の目的から逆算して何が正しい選択であるのかを合理的に思考する「利益-コスト」と「有用性」の連鎖のなかにではなく、他人とともに、他人のなかで行動するところから生まれてくる。
人びとはまず自分以外の存在と関係を築き上げ、その関係を維持する場を生産していくことでしか、自らの欲するものを手に入れることはできない。
化 消費者的投票 社会の個人化 政治と人間との間には統合と対立の景気が埋め込まれている
間 投票を棄権するのが合理的な判断 社会や他人との関係性から投票
恩顧主義 感情を基盤とする共同体の一体性を醸成
→他者との物質的なものだけでなく諸運や自尊心の調達を動機として関わる交換からなる関係性
群 群衆から公衆へ 目標の追求と獲得が渾然一体
集団行為に参加すること自体に喜びと満足を見出す
食べるという行為が食事という行為と満腹になることで得られる安寧が切り離せないものであるように、目的であると同時に手段でもある
怖 予見可能性を奪われるという恐怖に対する恐れこそが自由主義の拠って立つ根拠 恐怖が生存の価値を高める
情念を踏まえた政治が自律的で相互協力的な行動を生み出す アイヒマン
コミットメント問題 相手が自分を裏切らないという確実性を相手との約束事を作ることで作り出す恐怖によらない政治が存在し得るのか 原罪
信 他人についての情報を十分に持たないなかでの予測可能性
合理性は信頼を代替しない 合成の誤謬
他者を信頼しないというのは高度化複雑化した社会のなかでは非効率であるばかりか思わぬリスクを抱えることになる
垂直的信頼 私たちの代表である政治家や政党が十分な働きをしていない(民主政が共同体の期待水準に追い付いていない)民主政そのものへの不信ではない
水平的信頼 再配分の基礎となるのは他人との信頼関係
無私が信頼を生む 他人の自由が増えることは自分の自由が減ることを意味しない、他人を信頼することで自分の自由が拡大していくような社会がつくりだされていかなければならない。