Θたけのこ たびの話とか

たびの話、科学の話、読んだ本の話 とか

歴史の読み解き方 磯田道史


 

 

濃尾平野

 兵農分離をすすめやすかった

 兵農分離していないと農繁期に戦ができない

 関西は兵農分離は進んだがヨコ社会で中央集権に向かない

火縄銃段階では密集隊形の重兵が有利

 →藩→日本の官僚制度 前例 意思決定が不明確 組織に不利な情報は上がらない

ライフル段階では自由に動く散兵が有利

 →長州藩(幕末)  長州藩主は現場情報にダイレクトに接触し、スピード感があった

 

忍者

 全国人口3500万人 (江戸初期1500万人)武士35万人家族いれて150万人

 忍者の仕事 1御内用(偵察) 2火の回り 3不寝番(参勤交代) 4火災時の宗門帳の持ち出し  →過労死が多かった

 情報の交換   見つめ聞きつめの大事 小さな兆候に気づけ

  平時から情報網 芸を身につけそれを通じて広く他国の者と交際し自分の名前を天下に知られるようにしておく

  四知の伝 望(風体衣装行動を眺める)

       聞(聞き取り調査)

       問(直接質問)

       切(心根を知る)

 

治安

 人を殺せばお上の御仕置をうけるという観念が通念になるのは容易なことではないが、それを江戸時代に作り上げた

 銃を持っていることと、銃を動物でなくて人に向けて撃つ、ということは違う

 カナダ・フランスも銃所持率は3割あるがアメリカほど殺人は多くない

 秀吉の刀狩は武装解除というより身分統制

  → 登録制の厳重な武器管理+生類憐みの令 生命保護 実際はGHQが刀狩

 自警力+公権力の審理 but煩雑なうえ両成敗及び過酷な刑の可能性が多く、内済 示談が多かった

 公の裁判は不名誉(お手数をかける)

 五人組 お互いに眼をみはっている 犯罪抑止

 

長州 幕府追討はいかがでございますか

 江戸時代の税収は農業部門がほとんど お米が地代 税収は増えにくい

  →有事に資金が無い 営業税(工業的商業的なもの)が少ないので商業が発達

   武士の力が相対的に弱まる 米は4割、林業1.5%

 長州藩は非農業部門も抑えた 農業80万石、非農業72.5万石

  長州は識字率が高く、教育水準が高く、庶民が行動できた

  長州は御前会議に殿様が出席=意思決定 →西洋式兵制に移行

   武士が馬から降りて銃を担ぐ、兵学寮 兵士は政事と別に養成 無謀な戦いに挑む

 

薩摩

 武士の借金の金利は15~20%で債務残高は年収の2倍

 薩摩藩 兵農分離せず俸禄知行が売買できた 金勘定、土地開発が上手な武士は知行高が増えていく

     身分や礼儀にうるさくない

 郷中教育 学びの場は自分で獲得する 識字率は低いが本能的判断力は養った

      文字化すると抽象化される 具体的で実効性あることを重視

 文字より議論 口述的談話

 詮議 実際にはない状況を仮想させて対処を考えさせるシミュレーション(反実仮想) 事前に徹底して考える

 

忠君教育 会津 佐賀

会津藩 農民から殿様まで六科(人間像)六行(行動)八則(掟)を定め、選挙、子吟

 butならぬものはならぬ 思考停止→白虎隊の集団自決 大義名分

佐賀藩 年齢相応の学業を成就できなかった藩士は俸給8割カット

 but教育が四書五経を基にする朱子学のため実務に優れる人は大量につくれるが面白い人間は育たない

 

日本人はパニックにはならないけど、備えない、最悪の事態について考えることをやめてしまう、起きて困ることを直視せずとりあえず目先のことをやる 地震原発

 自分で判断せず、付和雷同する

 「仕方がないや」と放っておくのか「人命が失われるんだから、やれる対策はやろう」となるのか、生き方の分かれ目 人間の良心=無私

 桶の水がこぼれるかどうか 天水桶が地震計 噴火、地震の記録が多く残されている

 

 司馬文学

 リアルな史料に基づいて自分で判断する癖が国民につきはじめると、社会にとって大きな文化遺産となるに違いない

 司馬遼太郎は、形式と情緒に流されがちな日本人に警告を発し、合理性の大切さを訴えているはずですが、現実の読者は、非合理的な情緒への陶酔に甘んじている 史料の表面をなぞるだけでなく、武器への観念、女性への清浄感、穢れ感など深い哲学的問題にまで踏込んだことが支持された

 司馬氏は学問の非常な高度なものを一般の人にも分かりやすく、日本が何であったのかを伝えられる 網野善彦氏など 司馬文学を乗り越えるには、二次史料だけではなく、一次資料の学術研究による新しい事実の発見が必要

 

 

感情の政治学 吉田徹

政治は、正しいことを言ったり、政策として採用したりすれば、そのまま正しい結果が生まれるとは限らない。これは正しい、正しくなく、ということ自体が、政治的行為にほかならず、新たな賛成反対の声を巻き起こす自己言及的性格を持つ。

個人が自らの選好があらかじめ規定されていて、そのうえで合理的な政治的判断を下すわけではなく、私的な感情、象徴、政治的指導者との関係や相互作用といった情念によって考えや行動が形作られている。

共同体にコミットする活動は、「利益-コスト」モデルに還元されるものでも、賞賛の対象として崇められるべきものでもなく、情的な結合を基礎とする関係性からくる非合理を前提にしなければ担保できない。

 アマルティアン=セン 潜在能力アプローチ 人びとの利益とは社会的なものから切り離されるべきではない。人びとにとって何が必要であるかは、個人の選好から測られるべきものではなく、社会のなかに生きる個人にとって何が欠損しているのかという観点から測られるべきものだ。自分と他人が何を得られるかではなく、自分と他人が何を必要としているのか、をスタート地点にして社会を構築していこう。

政治における道徳とは、個人の目的から逆算して何が正しい選択であるのかを合理的に思考する「利益-コスト」と「有用性」の連鎖のなかにではなく、他人とともに、他人のなかで行動するところから生まれてくる。

人びとはまず自分以外の存在と関係を築き上げ、その関係を維持する場を生産していくことでしか、自らの欲するものを手に入れることはできない。 

 消費者的投票 社会の個人化 政治と人間との間には統合と対立の景気が埋め込まれている

 投票を棄権するのが合理的な判断 社会や他人との関係性から投票

 恩顧主義 感情を基盤とする共同体の一体性を醸成

→他者との物質的なものだけでなく諸運や自尊心の調達を動機として関わる交換からなる関係性

 群衆から公衆へ 目標の追求と獲得が渾然一体

 集団行為に参加すること自体に喜びと満足を見出す

 食べるという行為が食事という行為と満腹になることで得られる安寧が切り離せないものであるように、目的であると同時に手段でもある

 予見可能性を奪われるという恐怖に対する恐れこそが自由主義の拠って立つ根拠 恐怖が生存の価値を高める

 情念を踏まえた政治が自律的で相互協力的な行動を生み出す アイヒマン

 コミットメント問題 相手が自分を裏切らないという確実性を相手との約束事を作ることで作り出す恐怖によらない政治が存在し得るのか 原罪

 他人についての情報を十分に持たないなかでの予測可能性

 合理性は信頼を代替しない 合成の誤謬

 他者を信頼しないというのは高度化複雑化した社会のなかでは非効率であるばかりか思わぬリスクを抱えることになる

 垂直的信頼 私たちの代表である政治家や政党が十分な働きをしていない(民主政が共同体の期待水準に追い付いていない)民主政そのものへの不信ではない

 水平的信頼 再配分の基礎となるのは他人との信頼関係

 無私が信頼を生む 他人の自由が増えることは自分の自由が減ることを意味しない、他人を信頼することで自分の自由が拡大していくような社会がつくりだされていかなければならない。

地政学で読む世界覇権 accidental superpower ピーター・ゼイハン

地政学上重要な点の変遷
1 地理条件 交通の要衝 商業活動の便がよく、侵入困難  
   河川 エジプト フランス ポーランド ロシア 中国
   湾・内海 スウェーデンデンマークフェニキア・日本 オスマン
2 遠洋航海術 スペイン・ポルトガル 収奪
3 工業化 経済的生産性 イギリス(貿易) ドイツ(投資)
  筋肉・風力・水力のある分だけ 自分で食べる分を自分でつくらなければいけない
    →防衛に人を割けない
  →蒸気機関・石炭 力の獲得
  →鉄道 自然の制約から解放
  →化学 肥料(食料)セメント(建築・インフラ)
 
アメリカ 偶然の超大国 自然条件が超大国となる条件を兼ね備えていた
 水路 ミシシッピ川・メキシコ湾 国内だけで低コストであらゆるものが運べる
 大地 温暖で9割が水路から240km以内でまとまったなだらかな土地
 南部 砂漠と高地でメキシコと接する
 北部 山と森でカナダと接する セントローレンス川はカナダには必要だが、活用できるのはアメリカの方
 
武器としての自由貿易
 →ヨーロッパが経済に専念 植民地を維持する必要がなくなった
 →もっともアメリカの貿易はGDP11%で自由貿易を必要としていない
  人口が増加するのはアメリカだけなので市場は国内で十分
  ソ連崩壊により世界の安保の必要性が減少
  シェール革命によりアメリカ国内でエネルギーが賄える
 →自由貿易体制を維持する必要がなくなった
  ↓
ドイツは膨張政策
トルコはバルカンに関心
 中央アジアに広く存在するトルコ系民族は対外的には団結する可能性
ロシアは拡大の余力がない
フランスは食料自給、アルジェリアの石油、原子力発電により孤立可能
中国 自らが輸入ルートの安保 アメリカ市場の代替
 一方で人口減・財政問題 内陸の暴動・沿岸都市の独立
カナダ もともと各州は隔絶されカナダよりもアメリカとの交易が盛んで各州が個々にアメリカに編入される可能性
メキシコ 航行可能河川がなく、大半が山岳のため都市は後背地が無く産業が成り立ちにくく、統治困難
 
原書は2014年出版。このような動きが実現しつつあります。

万葉集

権力闘争の過程で序文が失われてしまったが、それにもかかわらず歌は残った。

万葉仮名で記述されていて、朝鮮語読みもできる。そうすると、更に深い意味がこめられている。

五行の思想が基底にあるので、その観点から読むのも面白い。

人口問題

エコノミスト  2016年10/4

・日本はイノベーションが弱いと言われているが、人口が減少している中でGDPを維持しているのは真のイノベーションといえる。

ASEAN諸国は人口ボーナスを得る前に、都市農村格差が残ったままで、高齢化社会に突入してしまった。

7つの習慣 スティーブンRコヴィー

世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままの世界を見ている

習慣 知識+スキル+意欲

 

依存から自立へ(私的成功)

第1の習慣 主体的である(パーソナル・ビジョン)

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める(パーソナル・リーダーシップ)

第3の習慣 最優先事項を優先する(パーソナル・マネジメント)

更に相互依存へ(公的成功 私的成功の結果)

第4の習慣 WIN-WINを考える(リーダーシップ)

第5の習慣 まず理解し、そして理解される(コミュニケーション)

第6の習慣 シナジーを創り出す(創造的協力)

再新再生

第7の習慣 刃を研ぐ

 

第1の習慣 主体的である(パーソナル・ビジョン)

 刺激から反応の間には選択の自由がある 自分の体の主

 選択の自由は4つの能力による 自覚+想像+良心+意志

 反応的な態度や行動を改める

 

 直接的にコントロールできる問題←週刊を改める

 間接的にコントロールできる問題←影響を及ぼす方法を考える

 自分にはコントロールできない問題←その問題に対する態度を根本的に改める

 

 できることを決めて、時効する

 

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める(パーソナル・リーダーシップ)

 すべてのものは2度つくられる 知的創造+物的創造

 内面の中心にあるもの 安定+指針+知恵+力

  不変の原則を中心に据えと基本的パラダイムを得られる

 ミッション・ステートメントを書く

 

第3の習慣 最優先事項を優先する(パーソナル・マネジメント)

 緊急度×重要度 緊急ではないが重要なことを決め、計画を立て、律する

 自分の役割と目標

 デリゲーション 人に任せる

  望む成果、ガイドライン、リソース、アカウンタビリティ、評価

 

第4の習慣 WIN-WINを考える(リーダーシップ)

 信頼口座 人間関係の投資

  相手を理解する

  小さなことを気遣う

  約束を守る

  期待を明確にする

  誠実さを示す

  引き出してしまったときは、心から謝る

 

 第3の案の存在を信じる なければ進めない、という判断も重要

 

第5の習慣 まず理解し、そして理解される(コミュニケーション)

 共感して傾聴する

  相手が論理的に反応している間は、効果的に質問し、助言を与えることができる

  相手が感情的な反応を見せたら共感して聴く姿勢に戻る

   相手の言葉を繰り返す 自分の言葉に置き換える 相手の気持ちを言葉にする

 

 自分のことを筋道立てて表現する

 

第6の習慣 シナジーを創り出す

 一度シナジーを経験すると、それ以前の自分に戻ることは無い

 

第7の習慣 刃を研ぐ 緊急ではないが重要なこと

 肉体 体調

 精神 観点

 知性 自律

 社会・情緒 つながり

 

AI

「はじめての人工知能」浅井登

副題 Excelで体験しながら学ぶAI

 

まさに副題のとおりエクセルでAIのプログラムが体験できる

エクセルの作り方が自分のエクセルの作り方に似ていて、分かりやすかった


 

ニューラルネットワーク(行列演算) 文字認識

   脳のモデル化 学習と想起という演算の繰り返し

     階層構造・誤差訂正学習・相互結合・ヘッブ型

ファジィ(グラフの合成) 境界のぼやけたメンバシップ関数の合成

遺伝子アルゴリズム数値計算) 組み合わせ、配置設計

  モデル化→コーディング→初期集団→適応度評価→選択→交叉→突然変異

問題解決(数値計算) MC問題 宣教師と人食い人が川を渡る

  モデル化→状態遷移

探索(数値計算) 山登り

ゲーム戦略(数値計算) カードゲーム

機械学習(記号処理)

   教示学習 教師事例を記憶

   演繹学習 教師事例から具体的概念を生成

   帰納学習 事例から共通概念を抽出

   強化学習 環境適応に応じた報酬を見ながら学習

   深層学習 教師事例も報酬もなしに環境適応 ビッグデータ解析に有効

   発見学習 直観とかひらめき

知識表現(記号処理)

   プロダクションシステム 知識を事物の因果関係としてとらえる

   意味ネットワーク 知識を事物の関係としてとらえる

   フレームモデル 知識を属性を持つ事物としてとらえる

エージェント 追跡

  外部環境を把握し、与えられた目標達成のために自律的に問題解決

  自律性、社会性、反応性

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